ハイエースが新しくなった。

7年前、
現場の車を初めてハイエースにした。

乗り心地は、今ひとつだけど、
現場車としては優秀だった。

で、
今回もハイエースにした。

形が少し丸くなったような気がするのは、
私だけのようだ。

ガソリンカード、ETCカード、JAFカードの手続きが終了し、
『乗れるよお』

で、
『気遣いU君、お客様の所に書類を届けて、

その帰りに、スタンドでガソリンをいれて来て。』
とカッコマンH君の御用を言い使った気遣いU君が、

初乗りとなった。
『うわあ、緊張するなあ』

そうだよね、緊張するよね。
別に新車だからぶつけたら大変！な訳ではなくて、

いつでも、ぶつけられたら困るけれど、
ピカピカの椅子のビニールも外れていない新車、

ちょっと、こすっただけでも大事だ。
『はい、気をつけて行ってきます！』

気遣いU君は、
そろりそろりと会社の細い道を抜けて行った。

このハイエースで、
会社の車は何台目だろうか。

昔は、
創業者である父が三菱ファンだったから、

パジェロが多かったが、
ある日、大きな体の元気の良い営業マンが、

飛び込みでやってきて、
あれよあれよという間に、トヨタ一色になった。

その後、
公共事業の激減で車の台数も減った。

車種は、合理性を追求し、
営業車はプリウス、現場車はハイエースとライトエースになった。

毎月、業務ごとのガソリン代を計算するが、
プリウスの経済性はバツグンだけど、

ハイエースもライトエースも悪くない。

荷物もいっぱい詰めるから、
少々長い出張に、大人数で行っても大丈夫だ。

今回、新しくなったから、
荷物を積みやすく工夫をするらしい。

暫くして、
初乗りから気遣いU君が帰ってきた。

『大丈夫でした。新車の匂いはいいですね。』
本当だね。

どうして、
新車には新車の匂いがあるのかしら。

これから、何年間も、
うちの仕事を牽引してくれるハイエース君、

大事に使うから、よろしくね。

シルバー色のハイエースは、
未来に向かって羽ばたくが如く、輝いている。