日刊せみなりーBLOG
職人気質もいいもんだ…
更新日:2015/04/11
『うちの定年て、何歳ですか?』
何度言っても聞くラガーマンM君。
60歳だけれど、働けるだけ働いて!
が、答えだ。
最高齢は、
80歳まで働いた技術者Dさん。
ご本人は、まだまだ働けそうだったが…。
このDさんは、建築士だった。
うちの会社の仕事は、土地の上にあるあらゆるもの、
所有権があるあらゆるものを調べるが、
当たり前に一番多いのが、
建物類だ。
だから、建築士の知識も必要で、
当社は建築士事務所登録もしている。
そのDさんと、創業者の父がどこで知り合ったかは忘れたが、
いわゆる、職人気質の人だった。
お酒もしっかり飲んだが、
朝が早く、
『むつみさん、4時には起きるよ。
起きたらすぐに、
机に向かう。』
もちろん、図面は手書きの時代だ。
その図面は、美しかった。
仕事において、完全主義者のDさんは、
美しくない図面を嫌った。
線一本でも、
美しくない線もある。
数字も綺麗だった。
もちろん、間違いはほとんどない。
苫小牧に家があり、
会社と家と両方で仕事をしていたが、
期日前には必ず、仕事は出来上がていた。
そのDさんに、モゴモゴN社長も鍛えられた。
カッコマンH君も、ラガーマンM君も、
鍛えられた。
口数は少なく、
見て覚えろ!の典型だった。
ある日、まだ若かったラガーマンM君が、
流行りの高級な穴あきジーンズを履いてきたら、
『穴の空いた服なんか、職場に来てくるな。
新しいのを買え!』
と言われ、ラガーマンM君は、
これがいいのですとも言えず、
それからは、
そのジーンズを着てくる事はなかった。
優しく育てる、褒めて育てる時代になったが、
あのキリッとした職人気質も、
なくしたくない気がする。