日刊せみなりーBLOG

つかぬ間の休息かしら

更新日:2015/05/11

全員揃ってお仕事再開の日、
私は所用があって街に出た。

ところは、大通り西11丁目、
すでにライラックは開き始め、

今年のライラック祭りは、
花なしが予想されるわね。

などと思いながら、
時計代わりの携帯を見たら、

約束の時間まで、
40分もある。

はて、どうしよう。
美味しいコーヒーを出してくれる喫茶店もあるが、

お昼を食べ過ぎて、
コーヒーも入る余地はない。

キョロキョロと辺りを見回すと、
ホテルロイトンがあるではないか、

よし、ホテルのロビーでくつろごう…
と、正面玄関に向かった。

このホテルは会合などでよく使うが、
正面玄関の駐車場には、

いつも高級車が並んでいる。
本日は、【L】のマークの国産高級車と、

あまり見たことがない【バットマンマーク】の
高級車が置いてあった。

バットマンマークの高級車は、
濃いブルーでピカピカだった。

しばし、首は高級車の方を向いたまま、
自動扉を開けた。

あら、前は自由に座れたロビーは、
喫茶店風、いや、もっと洒落ているが、

生ビール700円とある。
うーん、いいわね。

でも、仕事中ですからと、
再びキョロキョロ見回すが、

ただで座れるところがない。
いやあん、、、、座りたいわ、、

と下を見たら、
吹き抜け地下に籐の応接セットが6組ある。

よし、
あそこなら誰にもとがめられず座れるわ。

とエスカレーターを降りた。
運良くなのか、いつもなのか、

三時前だがレストランはお昼の営業を終了し、
地階にはだあれもいない。

籐の椅子は高級品なのか、
座ると心地よく、

ハイヒールで疲れた足が、
生き返る。

あーいい気持ち、
疲れたわ、連休が終わったばかりなのに…

と、
会社では中々言えない還暦過ぎた独り言。

地階のロビーには滝を形取った噴水があり、
水が流れる音が耳に優しい。

気がつくと、
約束の時間がすぐそこまで、

あー行くか、

連休明けの高級ホテルは、
静かで、暑くも寒くもなく、

聞こえる音まで、
気持ち良く、

市内だし、
絶対泊まることはないホテルだけれど、

なんだか癒された30分だった。
さてさて、連休は完全に終了し、

再び、
日常の仕事が帰ってくる。

思わぬところで、
つかぬ間の休息時間を頂いた。

さあ、いくかあ!
と、心で言って、

高級な籐の椅子を後にした。

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