久しぶりに晴れた日曜日、
風はちょっと清々し過ぎるけれど、

『お昼はお素麺にしようか？』
となった。

我が家は、
昔ながらのガスコンロ。

だから、
お鍋も昔ながらのアルミの鍋だ。

その大きなアルミ鍋に水を入れ、
コンロに乗せようと思ったら、

水がポタポタ漏っている。
先日から、この鍋を使うと、

コンロが水浸しになると思っていたが、
やっぱり穴が空いているらしい。

20年近く使っている鍋だ。
寿命だな、

と思ったが、
昔はお鍋の修理屋さんがいた事を思い出した。

自転車に乗り、
お鍋の部品をぶら下げて回っていたような気がする。

残念ながら、
今はアルミの鍋を、

トンカチして修理してくれる人はいないから、
捨てるしかないか…

と、
その自転車の修理屋さんを思い浮かべていたら、

急に、
子供の頃、見かけたお団子屋さんを思い出した。

こちらはリヤカーに、
木のケースを積んで串団子を売っていた。

木のケースには、
ガラスの小さな引き戸がついていた。

私は、
お醤油団子が大好きだった。

チリンチリンと、
鈴を鳴らして売っていたが、

その当時、
おやつはやっぱり贅沢品で、

たまにしか、
買って貰えなかった気がする。

あれは、幼稚園の頃だったかしら。

日本が、
こんなに豊かになったのは、

本当に近年なんだなあと、
思った。

ちょっぴり、
セピア色の思い出に浸っていたら、

あっという間に、
素麺がゆだったが、

ガスコンロは、水浸しだ。
やれやれ、お鍋は買い換えようか、

でも、このお鍋は、
蒸し鍋も兼ねている。

勿体無いから、
同じ大きさのアルミ鍋を探そうとしよう。

使えるものは、
使わなきゃあね…

そんな気になった休日の昼だった。