うちの会社の社員たちは、
みんな、運転が上手い。

それも、
狭いところでの運転はピカイチだ。

なんてったって、
毎日、狭い駐車場で訓練しているものだから。

昨日も、
『大丈夫？』と言う私の心配の声もなんのその、

プロ並みのハンドルさばきで、
現場に向かった。

うちの会社は、
川沿の住宅街に建っている。

それも、
奥に三軒ならんだ真ん中だ。

南北をマンションに挟まれており、
その北側のマンションに面して私有道路がある。

東のトン先はヤマダ電機なので、
袋小路である。

元々、創業者である父が、
北海道職員時代に300坪の土地と

私有道路として、
4m分を買った。

尊敬する恩師と分けるためである。
そして、一番奥を恩師に分け、

真ん中が社屋となった。
手前にある実家のブロック塀横の私有道路から入り、

そこを抜けると、
会社の駐車場を兼ねる敷地になる。

そこに、社員の通勤車、社車、
お客様の車が並ぶので、

玉突き状態で、
車の移動をする。

特に、ハイエースは大きいので、
苦戦、この上ない。

父は、
生前、自分の車をこの塀にぶつけ、

『こんな塀、壊してしまえ！』
と、会社の敷地に接するブロック塀を二列壊した。

父に言われて社員が壊したので、
基礎だけが残っている。

北側のマンションにも塀があるから、
ブロック塀に囲まれた4m道路は、

圧迫感この上ないが、
今の所、ぶつけたのは父だけのようだ。

でも、この道路兼駐車場のお陰で、
『通勤は車でいいよ！』

おまけに、
『運転が上達する事間違いなし！』

のお墨付きだ。
あ、言い忘れたが、

この私有道路の入り口には、
なぜか、電柱が一本立っている。

腕試をしたい方、
どうぞ、一度、お試しを。