日刊せみなりーBLOG
札幌の地域の歴史は…
更新日:2015/08/12
『中野さんの会社の仕事って、
何度聞いてもわからないね。』
これは、
異業種交流会でいつも言われることだ。
ただし、たまに、
『函館の当社の建物が補償にあいまして…』
なんて方がおられるが、
これは稀なこと。
ほとんどの方が、
『へええ、そんな仕事があるんだあ』だ。
だから、伝え方が難しいのだけれど、
国や自治体が公共のために、
個人(法人なども含む)所有の土地を分けて頂く時、
私たちの仕事は関係をする。
始まりは、【土地】なのである。
私は、
看護婦からの転職組だけど、
この仕事に入って、
【土地と生きる事】を随分考えるようになった。
昨日もふとした会話から、
地域と歴史は密着している事を知った。
それは、藻岩下のある地域のこと。
藻岩下と呼ばれる地域は、
昔から下町だった。
今でこそ、高級マンションも建っているが、
商店街や銭湯が今も息づく街である。
でも、回りは高級住宅地、
藻岩山の中腹は、
超高級住宅街だ。
私は、いつも、
『どうして高級住宅街のすぐ近くに、
下町があるのだろうか』
と疑問に思っていたが、
昨日、姉から教えてもらう事となった。
藻岩山には小さな水力発電所があるが、
その工事の為に【タコ部屋】と呼ばれる、
労働者の宿泊所が、あったと言うのだ。
朝鮮からの強制労働者もいたらしい。
ものすごい昔の話だ。
時代が代わり、
タコ部屋も強制労働も無くなったけれど、
労働者の町の雰囲気は引き継がれたのだろう。
なんだか、とても納得したが、
60歳まで、
生まれ育った札幌のことを全く知らない自分が、
情けなくもあった。
別に、藻岩下とうちの会社の仕事が、
直接関係するわけではないが、
その土地には、
必ず、歴史があり、
その上に、現在がある事を再認識した。
私たちの仕事は、
その土地の歴史を少しでも知る事が重要なのだ。
天塩には、天塩の開拓の歴史があり、
小樽には小樽の歴史があり、
そして、大都会札幌には、
その地域地域での歴史がある。
『公共の福祉の為に、土地を譲って頂けますか?』
のお話の時は、
この歴史を知り、敬意を持った上で、
専門知識が生きるのだと思った。
そして、その事を、
我が社の名誉顧問である中川絃穂が、
話していたことを思い出した。
【されど、土地】である。