日刊せみなりーBLOG

ムクゲの季節…

更新日:2015/08/23

私は、
看護婦から現職への転職組だ。

それも、
ちょっとだけのつもりが、

今や、
我が人生!そのものになった。

転職のきっかけは、
忙しそうな母の手伝いだった。

まだ、家庭内操業の域だったから、
母は、徹夜で仕事をしていた。

『私でも出来ることはない?』
から始まったお手伝いは、

製本、チェックと広がり、
『じゃあ、正職員になるわ』

の時は、
姉について庭木の調査を覚える事になった。

『ええ?!私に出来るかしら!
だって、全く興味がないのよ、木々に。』

だったが、
仕事とは凄いもので、

とにかく、
全て同じに見えていた葉っぱには、

違いがある事がわかるようになった。

それでも、『これ、何?』『ボケじゃない』
『え?!さっきのボケと違う!』

のような学習を繰り返し、
ようやく、一般的なものならわかるようになったが、

そんな私が、
すぐに覚えたのが、【ムクゲ】である。

この仕事に入るまで、
聞いたことも見たことも、

と言いたいが、
お隣さんのお庭にたくさんあったから、

正確には、
聞いたことも見えた事もなく…か。

ムクゲの葉っぱは特徴的で、
三角にガキガキしており、

枝も、
これまた特徴的に白っぽくて乾燥肌。

花は、
コケコッコー花を少し豪華にしたような、

日本風な地味系。
でも、額がしっかりしているので、

花が落ちても額が冬まで残り、
おかげで冬の調査でも、

『これは、ムクゲ!』とすぐわかる。

そのムクゲは、
夏の最後に咲く花だ。

『あら、ムクゲが咲き始めたわ。
夏も、終わりだわねえ』なんて、

洒落た事を言えるようになったのも、
この仕事を始めてからの特典だ。

そして、
今年もムクゲが満開になり始めた。

いつ調査に行っても、
絶対間違わない花、【木槿】、

この花が庭にあるお宅の調査に行くと、
なぜか、ホッとし、

ボケも、ドウダンツツジも、
何もかもわからなかった20年前を、

思い出す。

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