日刊せみなりーBLOG

東京下町は…

更新日:2015/09/17

私は、
知らない道を歩くのが好きだ。

だから、
市内を歩くときでも、

今日はこの道を、
今日は、こっちに曲がって、

と、
色んな道の色んな家や風景を、

キョロキョロと、
見る。

昨日は、
それを東京の月島でやってみた。

飛行機の時間まで、
ほんの少し、余裕があった。

麹町から地下鉄に乗り、
有楽町で降りようと思ったが、

何駅かで月島だ。
どんなとこだろうか、と急に興味が湧いたのだ。

地下鉄を上がると、
そこは、高層マンションが立ち並んでいた。

わ、すごい…
首が痛くなるほど上をみたい。

でも、
高層マンショの谷間に古い住宅も見えた。

どれどれ、
あっちの方に行ってみよう。

気の向くまま、
プラリと歩いてみると、

なんと、
古い古い長屋小道が健在だった。

小道の幅は、
一軒もあるだろうか。

両側に、
間口の狭い二階建の下見板長屋が、

くっ付き合うように並び、
それぞれの家が、

お花の鉢を玄関前に置いているから、
通路はもっと狭くなっていた。

そこで、
おばさんたちが井戸端会議をしていた。

なんと、本当に井戸まであった。
長屋の一つに、

あまりに綺麗なお花があったので、
写真を撮りたくなった。

玄関に立ち、
『通りすがりのものですが、

お花の写真を撮ってもいいですか』
と声をかけた。

中から、『どうぞ…』
と声がした。

iPadのシャッターを押すが、
道が狭すぎて中々上手くいかない。

何回か、撮るうちに、
この道も撮りたくなった。

古い井戸も、
おばさん達も…

でも、
おばさん達はシャッターを押すと、

水が引くように、
それぞれの家に入っていった。

写真に撮る人が、
結構いるのかも知れない。

その後も、
【佃】をぶらりぶらりしたが、

心惹かれる、
人と人の暮らしを感じる町だった。

お金があったら、
この町のマンションになら、

住んでもいいかもしれないわ。
ふと思ったけれど、

古い建物の横に、
【マンション建築予定地】の看板を見つけ、

全部がマンション群になるのなら、
意味はないか…とも、思った。

東京の下町は、
無くしたくない日本の宝物の一つに違いない。

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