育休中で、
しょっ中、顔を見せている三女が言った。

『お母さんって、
おっかない顔で考え事をしている時と、

ぼーとしている時の、
落差がありすぎるね。』

え？！そううお？
そうかなあ。

鏡で見る顔は、
穏やかで、優しいよ。

外部の方々とお話をしていても、
『中野さんて、きつく見えないからいいわね』

と、
先日も言われたばかりだ。

おかしいわね…と思ったが、
周りを意識していない時の顔は、

自分ではわからないから、
きっと、怖い顔もボーとした顔も、

しているんだ。
そして、

その顔を社員は見ているのか、
とも、思った。

もともと、
眉間に皺が寄りやすいのは、

母からの遺伝だ。
『お前、眉間にしわを寄せて寝てるよ』

と、
夫に言われたが、

これも母からの遺伝で、
しっかり、長女に引き継がれた。

だから、他意はないが、
見ている方は、怒っているの？

と思うのだという。

私だけでなく、
誰でも、意識しない顔がわからないけれど、

そう言えば、
男性は、意識した顔とそうでない顔の差が、

少ないような気がした。
だって、基本的に表情が乏しいもの。

女性は、
ニコニコキラキラお口キューン！

の時もあれば、
お目目三角お口とんがり！

もっと進めば、
夜叉の如し！の時もある。

だから、目立つのよ！
と開き直ったが、

女性の上司が不機嫌に見えるのは、
ご法度だ。

男性の上司の不機嫌よりも、
困り者だから。

と、
無意識を意識しようと鏡を見たら、

にっこり笑う優しい顔が現れた。
ダメじゃこりゃあ、

すっかり意識しすぎの、
むつみさんだった。