先日、
契約をしに、お客様のところを訪れた時の事。

廊下で待っていると、
一人の男性職員が事務室から出て来て、

携帯電話をかけていた。
近くだったので、

聞こえてしまったのだが、
『グランド居酒屋富士ですか？

予約をしたいんですが、
40名です。はいはい、お願いします。』

日付からして、
忘年会の予約のようだった。

職場の忘年会だろうか。
40名とは、大所帯だなあと思いながら、

私が社会人になってから初めての、
居酒屋忘年会もグランド居酒屋富士だった気がした。

居酒屋富士は大きな建物で、
みんなが集まってワイワイできたが、

私たちは、
人数がそんなに多くはなかったので、

わりかし、
こじんまりした部屋だったように思う。

今から38年前は、
居酒屋のチェーン店ができ始めた時期だ。

でも、
グランド居酒屋富士を使う確率は高かった。

金額は、
今と変わりなかったような気がする。

その頃、
私は看護婦をしており、

すべての交流会は自費だった。
でも、仲の良い職場だったので、

自費の交流会は、
苦にはならなかった。

確か、
3500円から4000円くらいの会費だったように思う。

食べることは、二の次で、
飲んではおしゃべり、

おしゃべりをしては、
飲んでいた。

ビールも飲んだけれど、
日本酒が好きな人が多くて、

お銚子が何本も並んだ。
飲み放題だったのかしら。

二次会は、
行きつけのスナックで、

カラオケを歌った。
正確には、

歌うのを聞いた。
沢田研二を上手に歌う先生がいて、

聞いては、
うっとりしていたなあ。

看護婦たちも、
歌は上手で、ポップから演歌まで多才な人が多かった。

時間制ではなかったから、
気がつくと深夜になっていた。

二次会の会費は、
一人、いくらだったかは忘れたけれど、

先生が多めに、
負担をしてくれていた記憶がある。

今の時代、
お店は、選び放題だ。

私は、
付いて行くばかりだけれど、

フレンチ、イタリアン、中華に、
やっぱり、魚でしょ！の和食まで、

街の中は、
グルメグルメ…

川沿の田舎から、
街に出るのは楽しいから、

どこでも、いい！よ。
でも、

久しぶりに、
グランド居酒屋富士もいいかも、

と思ったけれど、
若者たちの賛成は得られない気もしたので、

やっぱり、お任せしますよ。

なんだかまだ、
そんな気はしないけれど、

後、1ヶ月ちょいで、
師走である。