日刊せみなりーBLOG

お母さんのこころ…

更新日:2015/11/02

本日は、【釣り日】なり。
朝、3時45分にラガーマンM君が、

夫ことモゴモゴN社長を、
自宅まで迎えに来てくれた。

いやはや、
ご苦労様!である。

この釣りは、業界の交流会、
そこの支部長であるモゴモゴN社長は、

『みなさん、参加ご苦労様です!
本日は、お楽しみください』

の主催者だから、
参加は必須だ。

で、一応妻の私は、
『おにぎりを二食分作っとくわ』

と、良妻の真似をする事にした。
が、よく考えると、この寒い時期、

船の中で、おにぎりは『しゃっこくなる』。
はて、何か良い方法はないものかと思った時、

昔、教えて貰ったことを思い出した。
それは、まだ私が30過ぎの頃だった。

その頃、私は看護婦をしていたが、
その職場に、40歳くらいの中途採用の看護婦さんが、

入って来た。
その人は、数年働いただけで専業主婦になっていたが、

ご主人が急逝され、
十数年ぶりで、看護婦に復帰したのだ。

戦場のような内科外来に配属された彼女は、
いつも、立ちん坊だった。

急患が運ばれて、
医師も看護婦もテキパキ動く中、

『⚪️⚪️さん、これをあーして、
こーしてください。』

と、言われても、
体が反応しないようだった。

じっと立ったままの彼女を見て、
いつまでもつのだろうか?

と、
私は正直、思った。

10歳も若い私に聞いてばかりの彼女は、
辛そうだった。

冬になったある日、
私と彼女は二人だけで珍しく事務仕事をしていた。

手を動かしながら、私は、
『もうすぐ、娘のスキー学習なんだけど、

おにぎりが冷たくなって、
困るよね。』と、おしゃべりをした。

彼女は、
『うちの息子のスキー学習の時は、

ホカロンを使うの。
キルティングの袋の中に、

ホカロンとおにぎりを入れるのよ。
それでも、冷たくなるんだけど。』

と言った。
そうか、そういう手があったか、

と相槌を打ちながら、
この人には、息子さんがいるんだ、

と思った。
息子のために、

温かいおにぎりを工夫するお母さんは、
毎日、若い看護婦さんに怒られたり、

医師に無視されたりしながら、
頑張っているんだ、と思った。

その後、私は転勤したが、
数年後に見かけた彼女は、

別人のように、
動ける看護婦さんになっていた。

そんな彼女を思い出しながら、
私は、キルティングの袋に、

ホカロンと、おにぎり4個を入れた。

『おにぎり、あったかかったぞ』
と、言ってもらえたら嬉しいなあ。

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