日刊せみなりーBLOG

憧れちゃうわ!

更新日:2015/11/03

久しぶりに、
JRで旭川にやってきた。

カムイの本数が減ってからは、
座れないこともあるので、

指定席を取った。
案の定、指定席も満杯だった。

良かったわ、席が取れて。
お隣は、どんな方かしら、

と待っていると、
出発間際、

30代前半と思われる感じの良い女性が、
私に、軽く会釈をして席に座った。

彼女は、席に落ち着くと、
すぐにお弁当を広げた。

それは、
ちょっと有名なハンバーグ弁当だった。

17時発のカムイだから、
夕食には少々早いが、

その食べっぷりは、
お昼を食べられなかったのかしら?

と思うほど、
力強かった。

サクッと食べ終わったその女性は、
すぐに、パソコンを広げた。

今式のタブレット型だ。
カムイの指定席には、

パソコン用のコンセントが付いている。
彼女は、手慣れた様子で、

コンセントにコードを差し込んだ。

パソコンの画面に、
表が現れた。

彼女は、
膝の上に資料を広げ、

表になにやら打ち込んでいた。
資料は、日本語と英語が混じっており、

エクセルの表は、
英語が並んでいた。

彼女は、
お弁当を食べてから旭川に着くまで、

ずっと、
パソコンを打ち続けていた。

カムイが旭川のホームに入ったところで、
彼女は、

パソコンのコードを抜き、
年季の入ったパソコンケースに、

一式をチャチャッと仕舞い、
トレンチコートをキュッとまとい、

小さめのリュックと、
ナイロン製の大きめの袋を持って、

カムイから、
スッと、降りていった。

格好、良かった。
全てに、無駄がなく、

芯がすっと通っていた。
でも、その姿は自然体で、

圧迫感はない。
こう言う女性が、

今時の出来る女なのね、
と、私は、モタモタとコートを着て、

重たいカバンを、
よいしょ!と担ぎ、

防寒着で、
パンパンになっている出張カバンをゴロゴロ引いて、

旭川のホームに降りた。
彼女の姿は、すでになかった。

きっと彼女は同僚に、
『今日ね、カムイで私の隣に座ったおばさん、

ずっと、私のパソコンを見ていたわ。
何だろう…』

と言っているに違いない。
ごめんなさいね、悪気はなかったのですよ。

ただ、あまりにも、
その姿、立ち居振る舞いが格好良くて、

見とれてしまったのだ。

日本のこれからは、
こういう女性が担っていくのかな、

と、
ちょっと素敵な【カムイ1時間20分の旅】だった。

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