現場の靴が行方不明になった。

うちの会社は、

『現場の靴は⚪️⚪️円まで、カッパは⚪️⚪️円までです。
自由に好きなものを買って、

領収書を持ってきてください！』
の会社だ。

何せ、
モゴモゴN社長はお仕着せが嫌いなので、

こうなった。

さて、私だが、
長靴では、山坂の現場では踏ん張れない。

ので、登山靴を使っていた。
元気な若者たちは、

長靴を履いて山の木の調査が出来るが、
私は、無理！

登山靴は、
私の筋肉のなさをカバーしてくれるので、

必需品なのだったが…
先日、当麻の現場に履いていこうと思ったら、

ない。
げ！どうしようと焦って、

真冬の現場靴を履いて行ったら、
運悪く、現場で靴がガバッと割れた。

なんという事か…
もう、私に現場に行くなという事か…

と、理解したが、
また、明日から現場に出る事になった。

あら、現場靴を探さなきゃあ！
と、家と会社をくまなく探したが、

ない。
おかしいなあ、

どこに行ったのかしら…
最後に履いたのは、天塩の現場だ。

あれは、
昼まで現場で頑張って、

そのまま、
天塩のアイスクリーム屋さんで、

アイスを食べて…

あ、、、、思い出した。
あの時、確か、靴を変えたのだった。

現場靴から、
普段の靴に……………

登山靴だから、
足首まであり、紐も付いている。

車の後ろのドアを開け、
靴を脱ぎ、楽になった。

で、そのままなのか？！

アイス屋さんの駐車場に、
置き去りにされた私の現場靴…

あー何て事を！

そして、思い出した。
新婚旅行で釧路に向かう途中、

日勝峠から清水町に降りて入ったドライブイン、
帰り際、『疲れたから、靴を脱ぐわ』

と、
駐車場で靴を脱いでそのままだった。

やれやれ、
私は、若い時から健忘症らしい。

それにしても、
長い間、私の足を支えてくれた登山靴、

あー可哀想なことをしてしまった。
一人、ポツンと駐車場で、

私を待っていたのだろうか、
と、心が傷んだが、

はて、明日からの現場は、
長靴で行くしかないわねえ…

『私、斜面は登れそうもないから、
平地だけの調査にするわ！』

地位と年齢を利用することにした。

これは、
本当に現場引退をせよということか。

現場登山靴を買うべきか、
買わざるべきか…

迷っている。