先日、お客様をお尋ねし、
おトイレに入った。

うちの会社のお客様は、
お役所だから、

借りたトイレもお役所の中だが、
トイレで用を足していると、

手洗い場から、女性2人の声が聞こえた。
先輩と後輩らしい。

『昨日も飲み会だったんですよ。
全くです〜』

後輩の女性がこぼしていた。

『あら、そしたらあの後、飲みに行ったのね。
知らんふりして、注意しとくわ』

先輩の女性が答えた。
どうも、後輩の女性は新婚さんで、

ご主人は、同じ職場だが、
課は先輩と同じらしい。

お昼休みの後、
化粧を直しながら、情報交換というところか。

微笑ましかったが、
トイレから出るタイミングを逃し、

暫くは、
トイレに座ったままだった。

私も、夫婦で職場が一緒だが、
小さい職場なので、

全てがわかるので、
この種の心配はない。

看護婦時代には、
夫とは職場が違う環境だったが、

周りには、
看護婦さんとお医者さん、

看護婦さんと事務屋さん、
看護婦さんと薬剤師さん、

などなど、
同じ職場の共働きが多かった。

私は、
鈍感なところがあるので、

共働きで同じ職場でも、
何も感じないが、

周りには、
気にされる方も多かったようだ。

さて、私の転職により、
夫婦同じ職場になった私たち夫婦だが、

何が困るって、
喧嘩した時が困る。

職場では、
気分感情を出さないように気をつけているが、

難しい。
ある時、2人で庭木の調査をしていたら、

そこの奥様が、
『ご夫婦だったんですね。会話を聞いていてわかりました。』

と言われ、
赤くなったことがある。

2人なので気を抜いたのだろう。
奥様は、台所の窓を開けていらしたので、

私たちの会話が、
まる聞こえだったらしい。

いやはやである。
かと思えば、

昨日まで行っていた滝の上の旅館では、
会計時、『ご夫婦だったんですか？！』

と驚かれたが、
一体、何に見えたのかしら？

と、気にかかる。
だって、同じ部屋だったのだから。

結婚して、
38年目、同じ職場になって20年、

モゴモゴN社長と私の意見が食い違い、
言い争いになると、

『むつみさん、もういいいじゃないですか』
と、必ず、夫の肩を持つ社員たち、

あーら、面白くないわね！
と思うけれど、

モゴモゴN社長を好いててくれるので、
ありがたい。

まったくう！
と腹も立つけれど、

まあ、いいか、
と、諦めもつく。

同じ職場の共働きは、
本人たちも大変だろうけれど、

周りも気を使っているのが、
わかる。

だから、仲良くしようと、
現場で手を繋いだら、

『ばか誰かに見られたらどうする！』
と、解かれた。

……………残念…