うちの会社のお仕事は、
全道の美味しいもの確認が出来るお仕事だ。

特に、
農家さんや漁業関係者の方々にお邪魔し、

調査をすると、
『わ！茹でたて北海シマエビ！』

の、
おやつを頂いたり、

『喉、かわいたしょ、
なっているミニトマト、好きなだけ食べな』

などと言う、
黄金のお言葉を頂いたりする事もあるが、

頂けなくても、
農家さんのビニールハウスの中で、

すくすく育つ早生の農作物を見るだけで、
胸が踊る。

特に、自分の好きなものは。

あれは、
いつの現場だったかしら。

雪が溶けてすぐの調査だった。
まだ、寒くて、

路地野菜は、
苗も植えられていなかったが、

ビニールハウスの中では、
太いアスパラがすくすくと、

育っていた。
そこは、富良野だった。

私は、どこで売っているのかしら？
と、よだれを垂らしたが、

それは、
どうも築地行きだったようだ。

そうよね、お高いものね。
と、残念だった。

そして、昨日、
私は、丸井さんのきたキッチンに行き、

なんと！まだ、3月なのに、
太い太い、北海道産のアスパラガスを見つけた！

新冠産だった。

新冠といえば、お馬さん。
あまり、農業のイメージはないが、

雪も少なく、
春先は、明らかに富良野より暖かい。

ビニールハウスで早生の農作物作りには、
もってこいだ！

その太くて綺麗な薄グリーン色のアスパラは、
4本で540円だった。

1本の太さは、
私の中指の付け根程だ。

買う！買うよ！
大奮発の初アスパラだ。

美味しかった。
ハウスものだから味が薄いなんて事はない。

あー満足、、、の味だった。

あの時、
富良野のビニールハウスで見たアスパラも、

きっと、
これくらい美味しかったのだろうと、

一人、想像した。

農産物は、
普通の気候が大事だという。

今年も、
北海道のアスパラガスを、

いっぱい食べたいから、
普通の気候であって欲しい。

と、願うが、
それにしても、

人間って、
食べられなかった大好物の事は、

いつまでたっても、
覚えているものなのね。

と、
太いアスパラを頂きながら思ったが、

それは、私だけかしら…