熱を出し、
お休み2日目となった。

『咳が止まらないのは、仕方がありません。
昔、吸っていたタバコの所為です。

どんな薬を飲んでも、
長引きます。』

女医さんは、
歯に衣着せず、ニコニコしながら言った。

はい、そうざんすか。
諦めます。

と、
それでも、

頂いた薬に、
願いをかけて飲んでいる。

なんでも、
昔25年吸っていたタバコの影響で、

軽度だが肺気腫になっており、
風邪を引くと、

たちまち、咳、熱を呼ぶらしい。
おまけに、この歳でアレルギーになり、

実は最初は、
アレルギーの空咳と鼻水だったのだが、

『あーだめだわ！病院に行こう！』
と、行った先で、

風邪を貰ったようだ。

全くなあ、
マスクをしていけば良かった。

あの時、隣に座っていた患者さんも、
『8度の熱と咳が止まらず、ゲホゲホ』

といっていたっけ。
やばい！と思って席を移動したが、

アレルギーで弱っている私は、
風邪ウイルスの格好の餌だったようだ。

あーなんと、運の悪い。

でも、これもあれも、
『あなたが長年吸っていたタバコの所為です。』

なのだ。

ひどい咳と鼻水と熱に、
ベットの中で七転八倒していたら、

東京に出張中の、
夫ことモゴモゴN社長から電話があった。

『あ、まだ休んでいるの？
あの書類、期日までに送ってくれたか』

はいはい、送りました。
今日には、届いていると思います。

『あーそれの確認でした。
お大事に。』

あー全く、
妻に『お大事に』はないだろう。

と、ブツブツ言いつつ、
再び、ベットに入ったが、

これもそれも、
『あなたが長年吸っていたタバコの所為です。』

ニコニコとしながら仰った女医さんの、
声が聞こえてきた。

現在喫煙中の皆様、
1日でも早くおやめください。

軽度の肺気腫でこんな風邪になるのだ。
重症になったら、在宅酸素ですぞ。

それも、
誰も、可哀想なんて思ってくれない。

え？どうして、
そんな厳しい女医さんの所には通うのだって？

それは、
腕がいいから。

毎朝の吸入で、
肺気腫はこれ以上悪くならないそうだ。

後悔先に立たず、
でも、

捨てる神あれば拾う神あり、
人生、諦めないことが大切。

げほげほ。