会社の社員健診が、
ふたグループまで終了した。

金曜日は、
気遣いU君の番だった。

気遣いU君は、
のっぽさんなので、

金曜日のお昼休み、
個人的なお願いだったが、

高いところに虫除けを下げて貰った。
快く引き受けてくれた気遣いU君は、

『むつみさん、
僕、毎年、背が伸びているんです。

今年の健診では、
184.6センチでした。』

と、言った。
毎年、5ミリくらいずつ伸びている。

『すんごいね！』
と、感嘆詞を言いながら、

我が身との差を感じていた。
毎年、身長が縮むようになって、

どのくらいがたつだろうか？
156センチあった身長は、

ついに、
155センチを切った。

私は、姿勢は良い方だと思う。
歩く姿も気にするし、

洋服も、
『背筋が伸びていないと、似合わない。』

メーカーにしている。
だから、

猫背になって、
縮んだのではない。

おかしいなあ

まだ、
背骨が潰れる年でもないし、

おかしいなあ

と、思っているが、
原因は不明だ。

156センチでも、
決して高いほうではないが、

154センチでは、
低すぎる。

まず、
フレアスカートが似合わない。

別に、
着なくても良さそうなものだが、

幾つになっても、
女性は女性だ。

昔、
一緒に働いていた若い看護婦さんは、

170センチあったが、
ウエストがキュッと閉まったフレアスカートが、

まっこと、似合って、
羨ましかった。

ふわっと、
スカートが揺れる様が美しかった。

背の高さも、
ウエストの締り具合も、

美しく洋服を着るには、
絶対必要条件だと思う。

まあ、その辺、
和服はいい。

ちんちくりんの寸胴でも、
美しく着ることが出来る。

おまけに、
少々身長が縮んでも、

長さを調節できるのが、
着物だ。

近頃は、
洗える着物やジーンズ着物が出来て、

普段着でも、
着やすくなっているようだ。

これ以上縮むなら、
そのうち、毎日着物！

になるかも知れない。
現場には、モンペを履いていこう！

あら、悪くないわね。

『セミナリーさんでは、
モンペ姿のおばさんが庭木の調査をするんですね。』

なんて、言われたりして。
ははは、悪くない。

と、
妄想は膨らみ、

ちょっぴり
前向き気分になったが、

『むつみさんの身長は、どれくらいですか？』

と聞かれると、
『156センチです。』

と、昔のまま、
答えている私である。