日刊せみなりーBLOG

改めて、小樽…

更新日:2016/06/11

本日は、
ご縁があって、

小樽の心温まる品々を、
拝見することが出来た。

私は、小樽の宝は、
古くは明治大正から昭和初期に建てられた建物群が、

市内に点在しながら、
今も存在していることだと、

思っている。
そして、

昔の大金持ちの屋敷や銀行などだけでなく、
民家として残っている事が、

宝を作り出しているのだとも思っているのだが、
本日、伺った【もったいない博物館】は、

その宝を作り出している【人】を、
感じる事が出来るところだった。

石蔵を補修補強し、
白壁に年季の入った【当て(梁)】が、

美しい。
そこに、様々な生活用具や印半纏などが、

大切に飾られていた。
昔の商家のお嫁さんは、

使用人たちが食べる大量の漬物を作るなど、
働き手になっていた。

寒い時期の手作業である。
そこに、嫁ぐ娘のために、

母が持たせた刺子の仕事着は、
嫁ぎ先で一生懸命働いて、

みんなに愛されるようにと、
ひと針ひと針願いを込めて作られたもの。

網元の親方の着る半纏は、
裏にこれまた刺子で、

龍が見事に描かれていた。
火消しの半纏も裏に刺子模様があったが、

見事、火消しの後は、
裏を表に凱旋したそうだ。

また、古い着物を使った小物も、
数多く、展示してあったが、

その中に、
古い華やかなパッチワークのような、

布があった。
それは、その昔、

小樽に花街があった頃、
年老いて一人になった元遊女に、

若い遊女たちが、
自分の肌襦袢をパッチワークのようにして小布を作り、

それをつなぎ合わせて、
布団を作ったものだった。

一人じゃないよ。
みんながいるよ。

と云う思いを、
自分の肌襦袢を切って縫い、

その中に綿とともに詰めたのだという。

私は、
小樽という街に、人の気を感じる。

何を、オカルトか。
と言われそうだが、

その気は、
人の哀しみの時に、

街から溢れ出し、
その人を包み込むようにあると思っていた。

今日、
未公開の【もったいない博物館】を見せて頂きながら、

私の感覚は、当たっていたと思った。
小樽の歴史を作ってきた人々の、

優しさや気っぷの良さや
頑張りが、

点在する古い建物とともに、
今も、小樽にはある。

いつか、
小樽に点在する

古い建物を活用した店舗、博物館などを、
歩いて巡る旅を企画したいと思っている。

心が少し疲れたら、
ぶらりと小樽を歩く。

昔の優しい人たちが
空気となって包んでくれそうだ。

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