旭川に向かうため、
特急サロベツに乗った。

カムイの方が、
少し速いけれど、

空いている方を選んだ。
案の定、車両には私のほか、

数名のみ。
なのに、なのに、

なぜ、
すぐ後ろ？

と、仕方なし風に席に着いた。
否応無しに、

後ろのおじさん軍団の声が聞こえる。
『社長は、遅れずに乗れたのか？』

『昼間っからビールを飲めて、
幸せだなあ』

どうも、社員旅行のようだ。
『お前、弁当は何買ったの？』

『SL弁当』『いいな、俺は売り切れてた。』
『お前は、何買ったの？』

『さっき、蕎麦食べて、
ビール飲んだばかりなのに、

みんな、よく入るな。
でも、おれも、食べよ。』

ビールを開ける音が、
プシュ！

社員旅行は、
どこも変わらないんだなあ。

うちの会社の社員旅行も、
飲んで、飲んで、食べて、見て飲んで。だ。

それにしても、
どちらの会社なのかしら。

話の感じでは、
札幌小樽に、社員旅行のようだ。

汽車で旅行も悪くない。
『おい、寝るなって。もったいない。』

1人のおじさんが、
みんなを起こして回っていた。

思わず、苦笑。
と、思っていたら、

砂川近くから、
皆さんの寝息だけが聞こえてきた。

うちの会社も今年中に、
新幹線で東北へ行こう！の研修旅行をしたいが、

これは、
公共の乗り物のマナー研修を、

してからの方がいいかしら。
『他にも、お客様がおられますので…』

と、怒られないように。
できれば、一両貸切にできたらいいが、

少々人数が足りない。

一両って、何人乗れるのかしら。
いつの日か、

一両貸切で、
社員旅行ができたらいいなあ。

きっと、
宴会列車になっていることだろう。