日刊せみなりーBLOG

ふと、思い出す事は、、

更新日:2016/09/14

久しぶりに、
若者と現場に来た。

今年度は、
『むつみさん、これ、やってください!』

の仕事が、
今までとはちょっと変わり、

若い社員たちと泊まり現場が、
なかったのだ。

一緒に来た若者は、
気遣いU君とはにかみRさん。

気遣いU君は3年目だが、
はにかみRさんは、

入社1年目だから、
むつみさんも、なんだか緊張。

したが、
現場も夜の恒例宴会も、

楽しそうだったので、
ほっ!とした。

毎年、新人さんが入ると、
自分の社会人1年目を思い出したり、

看護婦時代の事を
思い出したりする。

それは、
訪問看護婦見習いの時の事だ。

私がいた病院は、
大昔から自主的に訪問看護をしており、

内科外来に勤務替えになった私は、
先輩の保健婦と一緒に、

寝たきりのおばあちゃんを、
自宅で介護されているお宅にお邪魔した。

主たる介護者はお嫁さん。
保健所の保健婦、その病院の保健婦、

そして、お嫁さんの3人で、
連絡帳を作り、

一生懸命介護をされており、
私は、その連携とお嫁さんの姿に感動をした。

ところが、
それから暫くして、

そのおばあちゃんが亡くなり、
私は、外来の先輩保健婦と、

お悔やみとお嫁さんの労いをしたくて、
最後の訪問を行ったのだが、

なんと、チャイム越しに
お嫁さんは、『もう、結構です。』

と、言ったのだ。
先輩と私は、玄関ドアの前で、

呆然とした。
先輩の保健婦は、

『むっちゃん、帰ろう。』
と、寂しそうにしたが、

すぐに、
『私たちの存在が、

どれほどお嫁さんを苦しめていたか、
気がつかなかった。

負担を敷いていたんだね。
患者さんの事ばかりに目が行き、

お嫁さんの事を考えられなかったのね。』
と、言った。

私は、その時28歳で、
すでに、嫁の立場だったが、

一度しかお会いしなかった、
その『お嫁さん』の暗い顔を思い出した。

それから、30年以上たち、
仕事も変わったのに、

私は、その帰り際の事を
忘れられないようだ。

どんな仕事でも、
自分本位なりやすい。

お客様にとって何が喜ばれるのか、
考える事は、

職種が違っても、
同じだろう。

そして、失敗から学ぶ事は、
大きい。

社会人になって、
半年、これからはにかみRさんの、

本当の仕事が始まる。

記事一覧