日刊せみなりーBLOG

わおう!どうしよう!

更新日:2016/10/25

があああああああああん

と、
都会人の私は顔が引きつった。

あれは、
土曜日の事だった。

所用で街に出かけていたら夫から、
『なんだか、現場でかぶれたみたいだ。

薬を買ってきてくれ』
と、電話があった。

モゴモゴN社長こと夫は、
色白ぽっちゃりで皮膚が弱く、

現場でもよく草負けをする。

『わかったよお』
と、私は、

ドラッグストアーで、
薬を買って帰った。

『ひどくかゆい』と夫が言うので
見てみると、

赤い発疹がたくさん出ていた。
『あら、草に負けたんだね』

と、私は、元看護婦らしく言った。
そして、日曜日、

目覚めた夫の体は、
『どうしたの?!』状態に、

腫れ上がっていた。
『昨夜、寝ながらかいたらしい。』

発疹は、硬結となり、
真ん中がプツンとなっていた。

『かいたから、
水泡になったんじゃない。』

もっと、
強い薬が必要と思い、

調剤薬局で
飲み薬とプレドニン入りの塗り薬を買った。

全身にくまなくできた発疹に、
私は元看護婦らしく

『擦り込んだら刺激になるから
ちょんちょんとつけるんだよ。』

と言いながら、
薬をつけた。

で、夫は昨日、
東京に旅立ち、

私は本日、
朝から街で仕事があり、

地下街のトイレで
足をポリポリかきながら

ふと、
その太腿を見たら、

夫と同じ、
赤いポツンポツンが出来ていた。

ぎゃああああああああ!

と、
昼休み、

慌てて家に帰り
確認したら、

赤いてんてんは、
あちこちにテンテンし、

痒い!だった。
あ!もしや、これは!

と、ネットで見たら、
それはやはり、ダニだった。

『草むらにでも入らない限り、
家ダニでしょう。』

と書いてあったが、
我が夫婦、

先週は、草むらに入っていた。
それも、夫は、

草むらに率先して入り
両手でかき分け

膝をつき
顔を覗き込むように、

仕事をしていた。
私は、横で立っているだけだったが、

夫は、
明らかにその時ダニに刺され、

なおかつ、
家にダニを持ち帰ったと思われる。

がーんんんんんん。

『ごめん、昼から休んで
バルサンをたくわ!』

私は、
キョトンとしている社員を尻目に、

一目散に家に帰り、
バルサンを焚いた。

もちろん、
布団もシーツもタオルケットもベットパットも、

洗濯だ。
作業防寒着も、洗濯に出す。

何をそんなに慌てていると
お思いか。

そのくらい、
モゴモゴN社長の刺され具合は、

驚異的なのだった。
私も、あんなになったら生きていけない!

と思うほどだ。

何十年ぶりかで見たバルサンは、
臭いは少なくなったが、

そのモコモコぶりは健在で、
効果が期待できそうだ。

でも、でも、
怖い、、、、

ちっこいちっこい
目に見えないダニさん。

どうか、お家から出て行って。
ここは、あなたの安住の世界とは違うのよ。

そもそも、
ダニの安住の世界を襲ったのは

私たち。
ごめんなさいと言いつつ、

私は、
祈るように息を殺して、

バルサンの煙を見つめた。

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