日刊せみなりーBLOG

ゼンマイ時計

更新日:2016/11/29

当社の創業者で私の父は
時計が好きだった。

なので、
亡くなった後、

姉も夫も
形見の時計を貰った。

が、
私はと言えば、

看護婦を辞めてから
時計よ、さらば!

だったので、
貰っていなかったのだが、

近頃、
時計復活をしたら、

まるで、
父が天国から見ていたかのように、

父の腕時計が現れ、
それを姉が見つけた。

『むつみ、貰ったらいいよ』
と、姉に言われ、

そうだなああ
と思って貰った。

父が好きだったワニ皮のバンドだ。

父が亡くなって、
10年以上たってから見つかったのだから、

もちろん動かない。
では、多分買ったであろう三越で、

電池を交換して貰おうと、
修理コーナーを訪れ、

『電池の交換ができますか?』
と、白衣を着た方に時計を渡すと、

その方は
じっと、時計を見て言った。

『これは、電池ではなく、
ゼンマイ式ですよ。』

まあ!

白衣の方は、
その腕時計の時間を合わせ、

ジコジコと
ネジを巻いた。

『相当古いので、
明日の夕方まで様子をみてください。

狂うようなら、
分解掃除が必要です。

メーカーに出すと5万はかかりますが、
普通の修理でも大丈夫でしょう、

でも、3万はかかりますね。』
と、言われて渡された時計は、

動き出していた。
うーん、ゼンマイって、

どうやって巻くのかしら?
と、記憶をたどる。

白衣の方に聞いた時計のメーカーは、
ロから始まっていた。

有名らしいが、
私は覚えられなかった。

で、それから毎日使っているが、
ゼンマイは、1日しかもたず、

私は、毎朝、
ジコジコして、

腕にはめている。
算用数字で見やすくて、

間違うことはない。

父の時計を身につけると、
なんだか、

良いことがありそうな気がしている。
だって、父は人からよく、

強運だと言われていたから。

ゼンマイ式の年代時計、
ずーと、

動いて欲しいから、
やっぱり、

分解掃除に出そうと思った。

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