みなさんは
ナナカマドの花をご存知か？

はて
何を聞くのだ。

と、
ナナカマドの花を

すぐに思い浮かべられる方は
すごいと思う。

私は
この仕事につくまで

ナナカマドに花が咲くことを
知らなかった。

えええ？？？
花が咲かなくちゃあ、

あんな赤い実が
たわわになるわけがないじゃん！

と
思う方は、

すごい。
と、私は思う。

うちのマンションのベランダから
手を伸ばせば

触れる位置に
ナナカマドはあるが、

ようやく
数日前から

ナナカマドの花が満開になったが、
いじらしいほど

地味な花だ。
真っ白でもなく

黄色でもなく
いや、やっぱり白なのだろうか？

白い花の樹木は
結構あり、

それぞれに華やかだけど
ナナカマドの花は

ひっそりだ。
だから、

植物に
全く興味がなかった私には

目に
入らなかったのだろうか。

それが
仕事になり

これは、
なんという木！でしょうか？

と
覚えなければならなくなった途端、

おおおおお
ナナカマドちゃん、

綺麗な花をつけたわね。
今年は、よく咲いているわ。

なんて思って見えるのだ。
どうしてこの花に

気がつかなかったのかしら？
ふしぎ。

いや、
ナナカマドだけじゃあない。

興味がないとは
すごいことで、

レンギョウの黄色い花が
満開なのにも

昔は気がつかなかった。
せいぜい、

桜くらいだ。
それが、

庭木の調査には
樹木が必要となり

本と首っ引きで覚えたら、
『あ、ハナカイドウは可憐だわ。

この、
ぶら下がった花の感じがいいのよね。』

とか、

『ドウダンツツジもいいわね。
まさに鈴なり。』

とか、
『バイカウツギの白が好き！』

なんて
言ったりする。

看護婦時代には
思いもつかなかった自分だ。

つくづく
人間って、

興味がないもの以外
視野狭窄なのだと思ったりする。

でも、
必要に迫られると

人間は覚えるものらしく

一応
北海道の普通の庭木は

ほとんど
違いがわかるようになったのだが、

近頃
夫と二人でテレビを見ていると

『ねえ、この俳優、知ってる？』
『この歌手、さっきの人？』

みたいな会話が増えた。

超若いハンサムな青年も
AKBの歌手の方々も

みーんな
同じ顔に見える。

葉っぱに例えたら
ファンに怒られそうだが、

興味がないとは
恐ろしいもんだと、

今日もテレビを見ている。