5月の半ばから
現場が静かに始動した。

本日は
高齢者施設の調査組と

河川工事に伴う家屋調査組だ。
来月からは

留萌の建物調査も入るが
こちらは住宅の調査が多いため、

『所有者にしっかり説明後
調査になるので、

6月半ばの予定です』
となった。

うちの会社の建物調査は
『すべての部屋に入らせて頂いて

押入れなども
見させて頂き、図面を作ります。』

なので、
所有者、

特に奥様の負担感は計り知れない。
建物を移転して頂く前の

大事な調査とはいえ、
家の中を隅々まで人が入るのだ。

と、
我が身に置き換えて

ため息が出る。

『絶対、一週間以上前に
調査の日程調整はしてね！』

これは、
口を酸っぱくして

言ってきたので
当社は、

突然ですが！的な調査はしない。
男性には

理解できないかも知れないが

主婦にとっては
一大事なのだ。

我が家なんて
掃除の時間が取れなくて

火災報知器の検査も
しばらく断っている。

あ、
これは内緒。

まあ
そのくらい

家に他人が入るのは
苦痛なものだ。

もちろん
『調査に入る時は

ワイシャツネクタイ着用、
靴下が綺麗なのは当たり前！』だ。

夏なんか
汗をかかないで欲しい。

と、
ホンワカH君に言ったら、

『むつみさん、
それはいじめですか！』

と言われたので、
『そうだわね〜、

でも、ハンカチは持って！
なんだったら、

首からタオルを巻いて
吹きながら仕事をして！』

と、うるさい私。
でもねえ、

いじめじゃあないのよ。
奥さんは、

色々気になるのよ。

家をジロジロ見られる事。
汗がポタリと落ちる事。

玄関に脱がれた靴が汚い事。
ドタドタ、歩く事。

中には、
気にしない奥様もおられるけれど、

気にされる奥様を
基準にしないとね。

『調査に来られた方
だらしなかったわ』

と思われたら、
調査もだらしないと思われるから。

そして
女性は、一度そう思うと

ずーーーーと
そう思うもので、

奥様に嫌われると
それは多くの場合、

ご主人にも
影響を与えるのだ。

所有者名がご主人でも
【家】を守っているのは主婦であり、

主婦にとって【家】は
自分そのものと言っても

過言ではない。
ので、

『住宅の調査は気遣いが大事！』
が、

当社の基本である。
もっとも、

すべての仕事に
人間性が出てくるから、

まずは正直な誠実なお仕事を
がんばろね！

うちの社員、
そこんところは、

超自信満々の
むつみさんである。