日刊せみなりーBLOG

石蔵にて

更新日:2018/02/18

昨日は
小樽で行われた

石蔵再生会発足式に
出かけた。

昨年、

私が代表を務める
NPO法人小樽民家再生プロジェクトが

小樽にある石蔵、
石造倉庫の利活用について

所有者、活用したい方、
興味がある方と

シンポジュウムを開き、
つくった会だ。

シンポジュウム開催の呼びかけには、
160人を越す方が集まってくれた。

小樽の歴史的建築物の
第一人者駒木先生のお話や

建築士の方
調査をされた方
解体をされている方

の難しい話だったのに
ほとんどの方が最後まで聞いてくれ、

昨日はその中から、
この石蔵再生会の発足式に

44名の方が集まってくれた。
ごく普通の市民の皆さんだ。

いよいよ
幹事がつくった会の方針案が出されると、

そのごく普通の市民のみなさんから
手が上がり、

様々なご意見が出された。

石蔵付きの住宅に住んでいるが
高齢になり住めなくなってきて、

壊すには忍びなく、
どうしたものかと思っていたので、

この会はありがたい。
と言う老婦人のご意見や

活用は賛成だが
広告など見苦しいものは

出さないで欲しい。
と言う意見や、

はたまた
現在石蔵で

ご商売をされておられる方からは、
『あまり色々規制が出ると

商売ができなくなる』
など、

現実的なご意見もあり、
珍しく聞く一方の私としては、

とにかく
この活発さに驚き、

感激していた。
だいたい、

このような会は
主催者側からの発言に対し、

手が数本上がればいい方だ。
それが、

結局終了時間間際まで
手が上がり続けた。

なんと素晴らしい事だろう。
市民の皆さんの石蔵に対する思いが

伝わってくるようだった。
私は、生粋の札幌人だから、

石蔵は好きだけれど、
小樽の方々の抱いている思いとは、

比べ物にならないと感じた。
すでに数件、

良い人がいれば利活用してほしい。
と言う所有者がおられる。

これは必ず、
これからの小樽の発展に繋がると

胸を高鳴らせて会は終了した。
そして、

その後の打ち上げは、
旧海猫屋のISOと言うイタリアンの店で

行ったのだが、
この旧海猫屋という店も

煉瓦造りの重厚な倉庫を
店舗に利活用したものだ。

海猫屋時代には
私は行ったことがなかったが、

3階建の店舗の2階にカウンターがあり、
薪ストーブが置かれ、

なんとも
素敵な空間になっていた。

3階は、
今回が初お目見えで

その素晴らしい梁を
思う存分見ることができる。

イタリアンもワインも美味しくて、
その空間とワインに時間がたつのも

忘れた。

どうして人は
石造、煉瓦造りに

惹かれるのだろう。
そして、

永く
使われたものにしか出せない風情も加わり、

この居心地の良さが
出来上がる。

北海道の歴史は
本州に比べると短いが

そこには
北海道にしか出せない味わいもある。

小樽を訪れたら
この石蔵巡り、

是非お試しあれ。
心と胃袋が同時に満たされること

請け合いだ。

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