日刊せみなりーBLOG

帰ってきたの?

更新日:2018/03/25

昨夜、
夫は残業で遅く、

一人で
お風呂に入っていると、

『ンギャー』と、
猫が鳴く声が聞こえた。

盛りがついたような
怒っているような

その鳴き声は
10年近く前に死んだクロの声に

似ていた。
あまりに近くで聞こえたので、

一瞬、出た?
と思ったが、

きっと
お風呂の換気扇を通して

外の猫の声が
身近に聞こえたのだろうと

思うことにした。
今年は、

会社の近くでも、
盛りの猫の鳴き声が

たくさん
聞こえるような気がする。

私は
犬も猫も苦手で

昔は
犬や猫が寄ってくると

逃げていたが、
私以外の家族は動物が大好きで、

ある日
次女が2匹の子猫を拾ってきて

結局、飼うはめになった。
私は、

頭を撫ぜることもできなくて、
家の中を逃げ回っていたが、

そのうち
どうにか

触ることはできるようになった。
2匹の猫は、

黒猫はクロ、
三毛猫風はミケ、

と、
面白くない名前に落ち着いたが、

動物好きの
3人の娘と夫の心を

随分慰めたようで、
クロは16歳、

ミケは23歳まで生きた。

クロは強くて元気で
まさか、

ミケより先に逝くとは思わなかったが、
ある日、

家から逃げ出し
側溝に入ったままで、

やっとの事で捕まえたが
すぐに外に逃げるようになった。

その後
怪我をして病院に連れて行くと

肺癌の末期と言われた。
外に逃げていたのは

死に場所を探して
いたのだ。

胸水を何度か抜いたが、
結局、私達夫婦の出張中に、

夫のベッドの下で死んでいた。
帰省中の娘たちに見守られて

クロは荼毘に付された。

その後、
体の弱いミケは

なんの病気もせずに
あと1ヶ月で24歳という

2年前の3月
クロのもとに逝った。

私にとっての
最初で最後のペットだったが、

唯一の心残りは
目を落とすところに

居てあげられなかったことだ。
看護婦時代、

多くの方を見送り
急変でない限り、

家族の皆さんに
最後は居てあげてもらうことができた。

自分の祖母、父、義父、叔母も
看取ることができた。

でも、
猫については無知だった。

クロは
実家の庭で眠っているが、

ミケはまだ、家にいる。
時々、

クロもミケも
家の中を歩いているように感じる。

きっと
帰ってきていると思うので

昨日の鳴き声は
やっぱりクロだったのかも知れない。

人間も猫も
魂は家がわかるのだろうか。

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