日刊せみなりーBLOG

雨のクルージングで。。。

更新日:2018/06/01

自分は、
優しくて思いやりがあり、

人のことを
一番に考えられる人間だ。

と、
思っていたのに、

自分の真の姿に
驚愕した日。

それは、
月曜日のことだった。

6年ぶりのクラス会で
お休みを貰い、

看護学校時代の友人たちと
小樽運河のクルージング。

超何回も
小樽に行ってはいるが、

クルージングは初めて。
みんなでワイワイガヤガヤ、

『救命胴着をつけるんだって!
ハマるかしら?』

などなど
おばさん丸出しで騒いでいたら、

運悪く
雨が降ってきた。

船は41人乗りで
屋根はない。

座席は
左右に2人掛けが並んでいる。

私は、
保健師をズー〜ーとしている優しい友人と、

一番前の椅子に腰掛けた。
渡された雨合羽を着たが、

バックが濡れた。
『バックはどうでもいいんだけど、

中に大事な書類が入っていてさ。
濡れると困るなあ』

と言いつつ
前を見たら、

大きなビニールの、
ひざ掛け見たいのが見えた。

六折りになっていた。
『それ、かけたら?』

誰かが言った。
うん!助かる!

私は
六折りをそのままバックに乗せ、

バックの中に雨が入らないように
置いた。

しばらくして
それを見ていた旧友Oが言った。

『オムツ、
それじゃあKちゃんが濡れるでしょ。

シートを広げて
使いなよ。』

隣を見たら
Kちゃんの膝が濡れていた。

きゃっ!

『ごめん!Kちゃん!』
慌てて、六折りを広げた。

二人の膝が隠れたが、
私の方が多く使っていたので、

動かそうとしたら
保健師Kちゃんが、

『オムツ、大丈夫だよ』
と、言い、

私と旧友Oを見比べて
優しく笑った。

そうだそうだそうだった。
学生時代から、

私と旧友Oは
こんな感じだった。

私は末っ子の甘えっ子で
気がつかないことが多い。

自己中心的だなんて
思ってもいなくて、

悪気もない。
それを、

『オムツ』と言って、
さらりと注意してくれるのが

旧友Oだった。

ふと、
会社での自分をかえりみた。

副社長で
社長の奥さんで
筆頭株主で

自分の気がつかないところで
自己中になってはいないだろうか。

もし、
旧友Oがいたら、

『オムツ』
と叱られているかも

知れない。

雨に、
濡れてしまったKちゃんの膝を見ながら、

我が身の
利己加減に

うんざりだったが、

悪意なき利己、
気付きにくいだけに、

言ってくれる友人は
有難いと悟った、

雨のクルージングだった。

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