日刊せみなりーBLOG

銭湯談義

更新日:2019/07/20

訳あって、
昨夜夫婦二人で銭湯に行った。

何十年ぶりだろうか?
若い時なら神田川の世界だが、

今更ねえ。
なんて言いながら、

川沿湯に入った。
一人440円。

自動販売機が置いてあったが、
番台にも奥さんがいた。

本当に昔からある銭湯だ。

お財布を持ってきたので、
一応ロッカーに入れるが、

こちらも年代物だ。
まあいいか。

男湯の脱衣場との境は
大きな鏡、木枠で囲まれて下に、

広告が書いてあった。

時間が遅かったので
銭湯は空いていた。

さて、
入ろうか。と、

服を脱いでいたら、
同じマンションの奥さんが、

わざわざ洗い場から立ち上がり、
ガラス戸を開けて声をかけてくれた。

『中野さん、珍しいね!
私は毎日来てるのよ』

まあ、そうなの!
笑いながら私も洗い場に座った。

シャワーは固定式である。
首は少し動くが水圧は強くないので、

周りの人に迷惑はかけないようだ。

蛇口は赤と青。
お湯と水で、自分で調整をするが、

お湯は熱くないので、
赤のお湯だけでちょうどいい。

先ほどの
同じマンションの奥様が、

『あら、シャワーが水になったわ』
というと、

番台の奥さんに向かって、
シャワー、水になったよ!

と、言っていた。
なんとも昭和だ。

この奥さんに限らず、
どうも常連さんばかりのようで、

私は珍しい新客のだった。

髪も体も洗い、
さていよいよ深いお風呂に入る。

今時は、
温泉になるような石を

沈めているらしい。
それがなくても、

深い湯船は温まる。
見ると、

小さなジャグジーやサウナもある。

『何回、サウナに入ったの?』
常連さんたちが話していた。

いつもより長く湯船で温まり、
『お先に』と、言って上がった。

銭湯は、
ドライヤーも有料で10円だった。

そのうち、
同じマンションの奥様も、

ほかの方々も上がってきた。
脱衣場でまた話が始まる。

皆さん、
おうちにお風呂はあるけれど、

銭湯が好きなのだという。
確かにねえ。

悪くはない。
そして、

地域の方々との、
裸の付き合いができる。

私の
育った家にはお風呂があり、

銭湯はたまに行く程度だったが、
夫は、社宅の銭湯で育ったから、

懐かしかったみたいだ。

夫は上がったのだろうか。
番台の奥さんに、

『主人、上がったかしら?』
と聞いたら、

『今、服を着ていますよ』
と、教えてくれた。

なんといい感じだろうか。

聞けば、
夏休みには子どもが無料になるらしい。

『お孫さんを連れておいでよー』
と、マンションの奥さんが言った。

完全に銭湯の広告塔のようだ。

そうね、
大きなお風呂は、

設備が整ったスーパー銭湯しか知らない子たち。

昭和の銭湯を知るのも
良いかなあと思った。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみでした。

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