日刊せみなりーBLOG

天塩にて

更新日:2019/09/04

今朝は天塩。
朝9時から稚内で打ち合わせだが、

ホテルが取れなかった。

観光客もお仕事の方も、
今が旬の稚内のようだ。

で、取れたのが、
天塩の旅館。

いわゆる、
駅前旅館と言うのだろうか。

お仕事で泊まる常連さんが多いようだ。

私は、
常々思っている。

どんな豪華なホテルに泊まっても堂々とし、
どんな庶民派旅館に泊まっても平気な自分でいたい。

この二つ、
意外に難しい。

昔、
名古屋や京都の有名ホテルに泊まったが、

まずボーイさんに慣れないし、
チップ、渡すの?的な不慣れ感。

周りは外人さんばっかりで、
下手に、I can’t speak Englishと言ったら、

ペラペラ話しかけられて
閉口した。

でも、
目標は堂々と!だ。

そして、
逆バージョン。

仕事柄、
全道を周り、

宿もホテルから駅前旅館、
中には、青少年会館で自炊。

みたいな感じもあったが、
何が困ると言って、

トイレとお風呂。
現場仕事の方達がお客様のため、

【女性】というキーワドがない。

なので、
お風呂には鍵がない。

もちろん、
お風呂は一つだ。

昨日からお世話になっている旅館は、
女将さんが、

『空いた時間をお知らせします』
と、言ってくださり、

【女性客使用中】という、
手書きの紙を、

脱衣場の入り口に貼ってくれた。
が、

鍵はないから、
気がつかずガラッと開けたら、

きゃっ!になる。
かなりスリリングな入浴だった。

トイレは、
普通に男性トイレの洋式を使用する。

それでも、
私が泊まったお部屋は、

女性を意識してくれて、
白い鏡台や赤いスタンド、

花柄の目覚まし時計が置いてあり、
少しずつ女性客が増えてきているのが

伺える。
今回は、仕事が稚内と利尻で、

2泊の宿泊が天塩のため、
夕食は取らなかった。

朝ごはんは、
食べきれないほどおかずがついたから、

働く男性にとっては
嬉しい旅館だと思う。

朝食を取っていたら、
男性のお客さんが、

『女将さん、これからの仕事なんだけれど、
土日が入るんだけど、いいかい』

と、相談をしていた。
女将さんは、

『いいよー』と、笑っていた。

女将さんは働き者で、
朝早くから夜遅くまで動きどうしだ。

今朝は早くに起きて、
旅館の外を散歩した。

東の空には朝日が昇り、
西の日本海には利尻島が望めた。

女将さんは、

『そうなの。
晴れた日は夕日が綺麗なんだよ。

本当は海ももっと綺麗なんだけど、
雨で水が濁ったから』

と、
ちょっと残念そうに言った。

ふと夕べ遅くに着いた時の
女将さんの当惑したような顔を

思い出した。

そうか、
私もこの旅館に当惑したけれど、

女将さんも私の姿に
当惑したのに違いない。

グリーンのフレアスカートに
ピンクのジャケットと

グリーンのハイヒール。
どう見てもホテル姿だったから。

今朝、
紺のジャケット姿の私に女将さんは、

『いってらっしゃい』
って、恥ずかしそうに言ってくれた。

どんなところに泊まっても
馴染める私になりたいなあと思う。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役中野むつみでした。

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