日刊せみなりーBLOG

最後の現場

更新日:2019/10/07

明日、
人生最後の現場に行く。

ちょっと大げさか。

うちの会社に入社して
どのくらい経った頃だろうか。

当時専務だった姉が、
『むつみ、現場に行こう』

と、
言った。

私は看護婦を辞め、
補償セミナリーで、

チェックを覚えたり
製本をしたりと

手伝い的な仕事をしていたが、
現場にも興味はあった。

でも、
姉が担当していたのは、

庭木や立木の調査積算で、
虫が嫌い、寒い暑いも嫌い。

の私ができるかな?
と思ったけれど、

まあなんでもやってみよう!
だったので、

行った。
ら、

キャーキャー
虫虫!寒いよー

の連続で
虫除けスプレーを

使いっぱなしだったけれど、
とにかく、

姉に代わって
現場に行くようになった。

庭木もどうにか覚えた。
調査方法は、

基準と実務で体得。
雨の日も雪の日も嵐の日も

真夏の36度越えでも
調査に行った。

虫よりも暑さを取って
真夏でも皮膚は微塵も出さず、

よくそんな格好で耐えられるね!

と言われながらも、
危ないおばさんと言われつつ、

調査をした。
なぜか雨女で、

むつみさんが来るなら
雨具の用意!と言われた。

それが、
5年前、内科的一病息災から、

山の木の調査はできなくなった。
救急車が来れないから。が、

行かなくなった理由だ。
庭木の調査はたまにしたが、

次の日から寝込むので
行かなくなった。

そのうち、
若い子たちが自力で覚えてきた。

明日、
調査に行こうと思ったのは、

最後は、
私なりに伝えたいことを

伝えたかったのだ。
山の木の調査は、

突然行けなくなったから、
実践場所での注意点や、

こーすれば
調査漏れはない。みたいな、

マニュアルを作るほどではないけれど、
大事なことを

伝えることができなかった。
簡単に言うと、

私が姉から教わったことだ。

だから、
庭木の調査は

伝えようと思った。
相手は、

ねあかのT君。
きっとすでにわかったいることも、

私は言うだろうけど、
ねあかのT君なら、

はいはい。
と聞いてくれそうだ。

場所は、旭川。
何度も調査で通ったマチ。

庭木を愛する人が多くて
見かけよりも、

庭木の本数が多い。

天気予報は雨。
あらあら、やっぱり雨女は当たっているかしら。

体、大丈夫ですか?
と、ねあかのT君が心配してくれた。

嬉しいな。
でも、大丈夫。

人生最後の現場だから。

そんなことを言わずに
行きましょうよ。

と、
気遣いU君は言ってくれるが、

体力が続かないのは
自分が一番わかっていて、

だからこそ、
最後の現場と力を入れて

行くのだ。
現場や実務は楽しい。

でも、
必ず次のステップに

行く日がやってくる。

区切りを、
つけさせてくれるねあかのT君に、

感謝である。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみでした。

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