日刊せみなりーBLOG

大根に思う

更新日:2019/10/22

今日の嬉しい出来事。

我が家は斜面に建つマンションで、
エレベーターはなし。

私は毎日、
外階段を昇り降りし、

斜面の下の道に出る。
その道は両側に家が建っていて、

山側の家は3軒、
ちょうど道を歩きながら、

その家々の庭を見上げる感じになる。
マンションには庭がないから、

季節ごとに変わる花の風景を
借景していた。

が、
今年は真ん中のお家が

庭をなくした。
はて、どうしたのかしら。

と思いながら、
花がなくなると目線はそちらに行かず、

ほとんど
そのお家を、

見上げることがなかったのだが、
今日、何気に見上げたら、

その家のご夫婦と思われるお二人が、
なんと、大根を引き抜いておられたのだ。

よく見ると
小さめな花壇は

大根畑になっていた。
思わず、

『凄いですね!立派な大根!』
と声を発したら、

奥様がニコッと笑い、
会釈をしてくださった。

そしたら、
旦那さまが抜いたばかりの大根を

土をホロって、
上から下さったのだ。

斜面だから、
旦那さまは大根をしゃがんで下におろし、

私は手を伸ばして頂く格好になった。

『え?!いいんですか!
嬉しい!褒めただけで頂けて嬉しいです!

ありがとうございます!』

私は素直に喜んで
大きな大根を一本貰った。

まさに、
天からご褒美!である。

その大根は
葉っぱは青々としており、

大根はまっすぐで
白い肌に黒い土が瑞々しかった。

家に帰って見てみると
ぱっぱは所々であるが虫食いがある。

と言うことは
無農薬か減農薬だ。

なおのこと
ありがたかった。

そして、
抜きたての葉っぱは

身が厚く
真緑だった。

昔、
夫婦で畑を借りて、

大根を作ったことがあった。
忙しくて、ほっぽり投げだったからか、

できた大根は、
二股になったり、

曲がったり
酢が入ったりで

まともに食べられなかった。
野菜を作るのも

愛情をかけないと
できないと知った。

『私たちには、
野菜づくりは向かないみたい』

と、夫と悟り、
それ以来畑は無縁だった。

だからこの大根を見て
なおのこと驚いたのだ。

素人でも
これだけ立派な大根を

一年目から作れるのだ。
あのご夫婦はきっと愛情を

いっぱいかけたのだなあ。
心して頂こう。

ちなみに、
下さったご夫婦とは初対面である。

何という良い方々かしら。
大根を下さったから、というより、

隣のマンションの見知らぬおばさんが、
ニコッと笑って、

立派な大根ですね!
と言っただけで、

手塩にかけた大根を下さるなんて、
その心に感動した。

色々なことはあるけれど、
人の心が少しずつ、

昔のように
優しくなってきている気がする。

もっとも社員から言わせれば、
『むつみさんは物欲しそうに言うから』

だそうだが。

大根はサラダに、
葉っぱは煮付けて頂く予定だ。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役中野むつみでした。

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