日刊せみなりーBLOG

函館の餃子

更新日:2020/03/15

函館は餃子の街。
え?初耳ですけど。

いや、
これはむつみさん的表現だ。

ここ3週間、
寝込んでいた私は、

買い物を夫や三女に
お願いをしていた。

まさか
食事は全てコンビニ。

ともいかず、
それが自宅で寝込む辛いとこだが、

冷凍餃子は
助かる。

とにかく
焼けば食べられるから。

で、
買ってきて!

と、
頼んだら、

よくわかんないけれど、
冷凍餃子がバカ売れらしく、

『お母さん、
どこのでも良い?』

と、
娘から電話がきた。

はいはい
良いですよー

でも、
できたら北海道の餃子にして!

生協には、
道内の餃子も売っているのだ。

娘が買ってきたのは、
函館の餃子だった。

キャベツも豚肉もニラも、
函館付近のものらしい。

大手の餃子と違うところは、
フライパンに並べた後、

しっかり水を入れて
焼くところだ。

で、
最後に水を捨てて

焼き目をつける。
皮は厚め。

で、
夫婦で食べたら、

『お、この餃子うまいな』
夫が言った。

私も食欲がなかったが
食べてみた。

どれどれ

酢醤油でパクリ。
あ、美味しい。

皮は厚いけれど、
噛み心地もちょうど良い。

中のお肉も
野菜もジューシーだ。

へええ
でもこれって食べたこと、

ある感じだ。
で、思い出した。

函館の魚まさという居酒屋の
メニューにある餃子とそっくりなのだ。

魚まさは、
友人の女将がメニューを考えて

大きくした居酒屋だが、
元々その友人は、

立派な主婦で、
料理が得意だった。

居酒屋を始めた時も
自分の料理で盛り立ててきたのだ。

だから、
基本的には、

函館のお母さんの味。
魚まさの餃子は、

もっと大きいけれど、
皮の感じも、餡の感じも、

生協で買った函館の餃子と
よく似ていた。

そう言えば、
函館駅からチンチン電車で、

五稜郭に向かい、
二つ目の角を曲がったところに、

小さな餃子専門店があった。

名前は忘れたけれど、
黄色い大きな看板があった気がする。

メニューは、
焼き餃子と水餃子のみ。

ここは小さめ餃子だったが、
何皿も食べた気がする。

お客さんは地元の人が多くて、
中には、

餃子を割って、

『これはニンニクを使わずに、
ニラで味を出してるね』

と、
味分析をするおばさんもいた。

その時は、
あら。と思ったけれど、

もしかして、
函館の人は餃子も好きなのかも!

と、
今気がついた。

函館の餃子を食べながら、

そうかあ、餃子って、
皮が命なんだ。

と、
思った。

魚まさをつくった友人は、
一年半前に先に逝った。

今は、
娘と息子が母の味を守っているが、

魚まさの女将は、
函館の舌を

伝えたかったんだ。
魚だけではない。

函館が持っている食文化を。

彼女が逝って一年半。
ようやく、

彼女の企業理念が
わかった気がした。

世が落ち着いたら、
函館、行ってみようと思う。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみでした。

記事一覧