日刊せみなりーBLOG

借景・・

更新日:2010/08/25

『屋根の色に気を使いなさい。

隣のマンションの方たちは、うちの会社の屋根を毎日見ながら、

生活しなければならないのだから・・・』

昔この社屋を建てる時、うちのディレクター,中川絃穂にこう言われた。

その時は、『は~~~い』という軽い感じで受け止めていたが、

近頃はその言葉の重みがわかる。

うちの会社は横長マンションの裏手にあり二軒の住宅に挟まれるようにして建っている。

会社の窓からは、マンションの皆さんの窓やベランダが間近に見える。

そして、両隣のお庭も見える。

特に、一階の会議室の窓からは、お隣の外壁を覆う蔦、大きな藤棚、カルミヤの木、

色々な種類のツツジ、シャクナゲ、ホウノ木、オンコにカツラが

四季折々の姿で見る事が出来る。

『もうお隣の蔦が赤くなりましたよ~』

『今年は花が中々咲かないですね』

他人の庭なのに、まるで自分のもののように楽しんでいる。

今の季節は緑が濃い・・暑い日差しを遮ってくれる。

会議で頭が熱くなると、隣の庭を見る。

緑でクールダウンだ。

『人間にとって緑をどれくらい近くで見られるかは、心の安定に関わるんだよ』

これも、中川絃穂ディレクターの言葉・・・

なりほど・・・落ち着きの無い私は、緑不足か・・・

それだからと言うわけでもないが、結局うちの会社の屋根の色は緑になった。

うちの会社はお隣の庭を借景して楽しんでいるのに、

お隣のマンションの皆様はうちの緑の屋根が景色・・

申し訳ない・・・

よほどの土地持ちでないと、今時はお互い借景で暮らしている事を再認識だ~

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