『あれ、何だと思う？』

『あれ、なんでしょう？』

『あれ、なんすか～？』

木古内の調査の二日目、

お客様の家の前に、何やら見かけぬ野菜が山盛りになっていた。

大型大根に似ているが、上が葉っぱでなくて、太い蔓みたいだ。

直径15センチ長さ50センチはゆうにある。

草取りを手伝いに来ていた娘さんらしき方が言った。

『あんたたち、夕顔食べるかい？』

『夕顔？？？？？』

その正体は夕顔・・だったらしい・・・“夕顔・・・・”

『いや～夕顔、知らないの？こっちじゃ～生協にも売っているよ～』

『どうやって、食べるんですか～』

『うちじゃ～炒め物が多いかな、味噌汁に入れる人もいるけど・・』

3人揃って、『へえ～～～～～～』

『こっちの三角の方は干瓢になるんだよ』

3人揃って、『あ・あ～』

『どれ、持っていきな～何人で食べるのさ～10人？なら、これ2本持っていきな～』

かくして、人の良いお客様のご好意で、

生まれて始めて“夕顔”を頂ける事になりました。

『どんな、味なんでしょうかね～』　ビベロYちゃんも興味津々だ～

『本日の会社ご飯は夕顔の炒め物です。』

『ええ～夕顔って干瓢でしょ～』

日高出身のホンワカH君は知っていた。

まずは、まな板の上に、直径15センチ長さ50センチの夕顔を乗せ、

えい！やあ～～～～～～っと包丁を入れるが・・・入らない・・

再び・・

えい！やあ～～～～～～～

『むつみさん、夕顔と格闘していますね』の声が事務室から聞こえてくるが・・・

やれやれ・・・・やっと5個に分け、使ったのは一個・・種を抜いても大きいのだ。

（さてと・・・お肉も一緒に炒めてみようか・・）

（多分・・味は濃い方が食べやすいのでは・・・）

等などむつみさんなりの工夫をして、出来ました・・夕顔と豚肉の醤油炒め・・

『どんな味ですか？』　まずは、ビベロYちゃん・・・・

『う～～～～ん、食感が・・変わっていますね・・』

次に・・早や打ちKちゃん・・

『なすび・・みたい・・かな？』

初体験は、みな、様々な印象だったらしい。

ところで、

夕顔は源氏物語に出てきたと思うが・・可憐な美女として・・・

どうして、あの野菜は夕顔になったのかな・・・チョッと不思議な気がした・・・・。