日刊せみなりーBLOG

他人の振りみて・・

更新日:2010/09/15

『昨日、偏頭痛の為に神経内科にかかったら、

MRIで脳に何か写っているから脳外科で診てもらうように言われました。

とても憂鬱です。』

朝会でビベロYちゃんが元気なく報告、

『それは大変!すぐに病院に行って!付いていかなくても大丈夫?』

『大丈夫です。』

ビベロYちゃんは21歳、釧路から出てきているから札幌では一人だ。

早速近くの脳外科クリニックを紹介、ビベロYちゃんは緊張した面持ちで出かけたのだが・・

『なんか、副鼻腔炎らしいんですが・・今一はっきり言ってくれなくて・・・』

『そう・・そしたら、耳鼻科に行こうね、そんな脳の方まで濃が行っているなら心配だし・・』

再び、近くの耳鼻科を紹介したのだが・・・・

『そんなに副鼻腔炎は酷くないと言われて、じゃあ、この影は何なんでしょう・・』

前日に行った神経内科では、脳腫瘍の可能性もあると言われ、

心配も絶頂のビベロYちゃん、大きな目から涙がボロボロだ。

今時は、MRIの結果はCDに落として添書と一緒に渡される。

脳外科も耳鼻科も同じMRIを見て、診断が下される訳だが・・・・・

『とにかく、別の脳外科に行ってみよう、私も付いていくから・・・』

ショボーンとしているビベロYちゃんを連れて、

今度は少し大きな脳外科病院に行った。

『もし、何かあったらセカンドオピニオンの病院を見つけないとね・・』

『お母さんやお父さんも心配しているでしょ?』

等など、待ち時間の間、ビベロYちゃんと私は暗い顔・・・・

で、診断は・・・・・

『副鼻腔炎で間違いないでしょう、蝶骨洞にまで濃が広がっています。

鼻の中は意外に広くて深いんですよ。

午前中に行ったクリニックの先生はベテランで確かな診断をします。

私も同じ意見です。間違いないでしょう。

当病院の耳鼻科を紹介しますから行ってください。』

結局、午前中に行った脳外科の先生の診断になった。

耳鼻科の先生がMRIを読めなかったということか・・・・・

『今の先生はとてもわかりやすく説明をしてくれました。

随分午前中に行った先生の事を誉めていたけど、

患者さんの不安を取れなくては何も意味がないと思う・・』

一日中、不安の中で三つの病院めぐりをしたビベロYちゃんはすっかり怒っている。

当たり前だ。

多分、午前中に行った先生も、病気が脳にあったらもっと丁寧に説明してくれただろう。

自分の興味の分野だから・・・・

『病気を見てて、患者を見ていないんだね。』

そのクリニックは、そんなに対応が悪い方ではないが、

やっぱり医者は人間ではなく疾患を見がちなのか・・・

『おかあさん、脳の病気ではなかったよ・・・・』

ビベロYちゃんは釧路で心配しているお母さんに電話をしている。

ホッとした感じだ。

私も、昔は看護婦だった・・病気しか診ようとしない医者と随分喧嘩もしたが・・

こんなんだから、ドクターコトーや神の医者なんていう漫画や本が売れるのか・・

『でも、ビベロYちゃん、うちらも気をつけようね、

建物ばかり見て、そこで暮らす人たちの事を忘れがちだから・・・』

“他人の振りみて我が振り直せ”だ。

それにしても、安心と学習に長い時間と高いお金がかかったね、ビベロYちゃん!

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