本日は一人で納品に行く。
うちの会社の成果品はファイルだから、

大抵は、段ボールに詰めて、
『いって来ます！』

だけど、
私はJRで室蘭まで行き、

その後、
役所までテクテク歩くので、

段ボールは辛い。
まあ、大きな仕事ではなかったので、

ファイルも少ないし……
『誰か、何処かで風呂敷を見なかった？』

と、声をかけたが誰も返事がない。
そうよね。昔はあった。

創業者の父が、
『少ない成果品の時は、風呂敷が一番だ。

帰りはなくなる』と言って、
何枚か用意をしていたが、

モゴモゴN社長が中心的に動き出したあたりから、
『風呂敷は…。大きめの書類カバンにしよう』

と、少なめの成果品の時は、
皮の大きなカバンに詰めて行くようになった。

が、
JRで行く私はそれも邪魔になる。

さて、どうしようと探していたら、
ショッピングバックが目についた。

(丁度いい大きさだわ）と詰めて見たら、
ぴったし！

では、
いってきますと、

片手に普通の鞄、
片手に、

書類で、
パンパンになったショッピングバックを抱え、

会社を出た。
よっこらしょ、とバスの座席に座り、

カバンとショッピングバックを膝に乗せようとするが、
大きすぎて引っかかる。

もう一度、どっこらしょ、と、持ち上げて、
やっと膝に乗せ、

滑り落ちないように、
両手で抑える。

このファイルは量は少ないけれど、
みんなで頑張った仕事の成果だ。

ちゃんと、お客様に届けねば…

それにしても、重い。
車の免許がないとは不便な事だ。

そのカバンとショッピングバックを抱え、
札幌市にも寄らないと………

ヨタヨタ、大通り地下街を歩く。

暑くなってきたけれど、
コートは脱げない。

だって、これ以上荷物は増やせない。
ブツブツ言いながら、

札幌市役所から駅まで歩く。

全くねえ、
車は便利なものだわ。

コート置き場も兼ねるもの。
あら、この分厚いコート、

挨拶回りの時は何処に置こうかしら。
汗をかきかき、札幌駅に着いた。

さてさて、
汽車に乗ったら、成果品を読み直そう。

これが、
JRのいいところ、運転をしてたらこうは行かない。

何事も、一長一短だ。うん。