日刊せみなりーBLOG

神棚。。

更新日:2017/02/09

私の父方の祖父は、
神主だった。

長男ではなかった祖父は、
能登から樺太に渡り、

神主になったようだ。

当社の創業者である父も、
戦争がなければ、

多分、
樺太で神主になっていたと思うが、

敗戦後引き揚げて来て、
道庁に勤めた。

おかげで、
私が生まれたので、

ある意味、
私の命は、敗戦の賜物かも知れない。

まあ、そんなこんなで、
うちの実家にも、

立派な神棚があり、
会社にも神棚がある。

年の初めや
年度始めは、その神棚に向かって、

全社員でパンパンと
柏手を打つ。

慣れない人は、
入社後、ちょっとびっくりする。

そう言えば、
建築会社に神棚はあるが、

普通の会社で神棚があるのは
珍しいかも知れないと思っていたが、

今日、もっと珍しい店で、
神棚を発見した。

それは、
カキツバタと言う、

川沿にあるパン屋さんだ。
小さなこじんまりとしたパン屋さんで、

お客さんが4人も入ると
いっぱいになる。

今日も、
3人のお客さんがいて、

私は、
パンをやっと選び、

レジに並んで上を見た。
混んで狭い時は、

人間は、
上を見るものなのだろうか。

で、気が付いたのだ。
レジの後ろの高い棚の上に

小さな神棚があることに。
それは、木の小さな箱で、

中には豊平神社のお札が入っていた。
そして、

神棚の前に、
フランスパンの薄切りが数切れ、

白いお皿に乗ってあった。
パン屋さんのおかみさんに、

『毎朝、パンを神様にあげているの?』
と聞いたら、

そうなんですよ、
と、まだ若いおかみさんが言った。

今までもあったのに、
気がつかなかったのだろうか。

なんだか、
洒落たパン屋と神棚がなんとも不思議で、

そして、
お供えがフランスパンと言うのも、

面白かった。
でも、ここは日本だし、

パンでもお米でも、
同じことか。

毎朝、焼きたてのパンを、
お供えし、

商売繁盛を祈り、
商売が出来る事に感謝する。

素敵な習慣だな、
と思った。

日本人だから、
神棚も神社も大切だ。

信仰とは少し違うかもしれない。
生活の一部と言うのだろうか。

夫の実家には、
仏壇もあったが、

神棚もあった。
日本の普通の形だ。

でも、
今の我が家には、

神棚も仏壇もない。
何せ、和室がないから。

近頃それが、
少し寂しい気もする。

日本人にとって
神棚は、

大事な文化なのかもしれない、
と思った。

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