日刊せみなりーBLOG

お墓って

更新日:2019/05/30

墓じまいが多くなる中、
真逆の話を聞いた。

私は、
小樽の民家を利活用して

小樽の活性化を図るNPOの活動をしているが、
その応援者、

Tさんから
お聞きした話だ。

Tさんは、
ご先祖が滋賀県から

小樽に移住された方で、
現在は、

小樽と札幌に居を構えて、
和装のお店を

展開されている。
滋賀県には、

未だに、
大きな土地とお墓があるそうで、

ちょっと前までは
蔵もあったが、

流石に維持できず
壊されたそうだ。

その時出てきたお宝の中に、
江戸時代のお雛様があり、

保存状態も良く、
今でも、お雛様の時期には、

お店に飾られるそうだ。
和装のお店に江戸時代のお雛様は、

さぞや映えることだろう。

滋賀県のご先祖様は
庄屋さんだったと言うので、

お雛様の立派さも
想像できると言うものだ。

Tさんは、

『毎年、お墓参りに行くんですよ。
昔のお墓だから5つもあって』

と、仰った。
すごい!

大昔のご先祖様に会えてるのだ!
と、思った。

なんでも、
一度は墓じまいも考えたけれど、

あとを継いでいる息子さんが
残して欲しいと仰ったとか。

そうよねー
と、すごく納得したが、

よく考えたら、
江戸時代からのお墓なら、

残しておきたくて、
昭和のお墓なら墓じまい。

というのも
なんだか変だなあ。

と思った。

私は、
お参りできるお墓が、

札幌、岡山にあり、
釧路には、納骨堂がある。

岡山、釧路には墓守が決まっているし、
札幌も多分大丈夫。

札幌のお墓は
父が作ったが、

娘ばかりなので
苗字が違っても入れるようにと、

【眞】の字を刻んでくれた。
なので、

夫も私も、
そこに入ろうと思っている。

そして、
きっと娘たちも孫たちも

お参りをしてくれるだろうと
思っているが、

少子化で
いくつものお墓をお参りするのも

大変だけれど、
別にお盆でなくてもいいから、

ご先祖をお参りして欲しいと
素直に思った。

Tさんは、
小樽にもお墓があり、

滋賀県のお墓と
一緒にすることも考えたが、

これも息子さんが
今のままが良いと仰ったそうだ。

なんと人の心の奥が分かる方かと
そこにも感動した。

永らく滋賀県という地で
生きてきたご先祖様は

やはり滋賀県に
居たいに違いがない。

土地とは、
そういうものだと思うのだ。

そう言えば
お墓の移転もすごく気も使うし、

祭祀料と言って、
魂抜き魂入れなどの

司祭料も支払われるが、
お墓が動くとは

そのくらい気を使うべきものなのだと
思った。

時代はどうであれ、
私も札幌、釧路、岡山の

お墓やお寺に
お参りに行こうと

なんだか思った。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみでした。

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