日刊せみなりーBLOG

朝の蜘蛛

更新日:2019/07/03

今朝、
車に乗ろうとしたら、

夫が、
助手席から蜘蛛をほろい出していた。

あまり見たことがない形の蜘蛛で、
2センチはある。

脚は、
太くなく細くなく、

でも、
体から出ている第一関節は、

濃い黒で
ツートンカラー風。

体の部分も
ころっとしているんだけど、

引き締まってスマート。

まあ蜘蛛なので、
気持ちよくはないけれど、

グロテスクというより
格好の良い蜘蛛だった。

車から
振り落とされた蜘蛛は

アスファルトの上で
瞬時に体勢を立て直し、

スタスタと
どこかに行った。

夫は、

『蜘蛛がここに、
蜘蛛の巣を張ってたんだぞ!』

と、
怒ったようにフロントガラスを

指差した。

夫は、
蜘蛛だけはダメなのだそうだ。

それにしても、
どこから入ったのだろうか。

『朝の蜘蛛って、
縁起が良いんだってよ』

私は言ったが、
それでも夫は首を振り、

『そこの蜘蛛の巣、
これで、はらってくれ』

と、
ティッシュをよこした。

昔、
夫の母がよく言っていた。

『蜘蛛もこんな姿に生まれなければ、
ここまで疎まれなかったろうに』と。

私は、
蜘蛛に限らず、

昆虫、爬虫類、両生類が苦手なので、
いつも悲鳴をあげているが、

夫は、
蜘蛛以外は大丈夫だが、

蜘蛛は身震いするほど
嫌いらしい。

多分、

幼い頃、
蜘蛛と何かがあったのだろう。

以前読んだ本に
好き嫌い、苦手得意の感覚は

潜在意識に由来するようなことが
書かれてあった。

そー言えば、
長女も3歳くらいまで、

ワラジ虫を見て、
『ワラジだ!ワラジだ!』

と言いながら
触っていたが、

気がつくと、
『気持ち悪い!』

と、
逃げるようになっていた。

多分、
私のせいね。

これもまた
本からの知識だが、

人間は
記憶という潜在意識の中で

物事を判断したり
考えたりするから、

その潜在意識の部分が
認知症になると、

今まで苦手だったことが
苦手ではなくなるらしい。

まあ苦手意識は全て、
自分で決めているということか。

朝、
変わった蜘蛛にお目にかかったが、

今のところ
目に見えた良い事は

起こっていない。
迷信ですからね。

でも、

迷信の多くは
人間の長い歴史の中で

多くの経験則として
生まれたものだ。

もしかしたら、
蜘蛛は生命力が溢れるところに、

朝、
蜘蛛の巣を張るのかも、

知れない。
特に、

大きな良い事はなかったけれど、
夫の車に、

変わった蜘蛛が現れたのだから、
会社も我が家も、

良い方向に向かうと、
理解しよう。

それにしても、
第一関節だけが

太いツートンカラーの脚を持つ蜘蛛。
何という名なのだろうか。

お節介達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみでした。

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