日刊せみなりーBLOG

室蘭の新しい宝

更新日:2019/11/20

今日はねあかのT君と
室蘭の旅だ。

私にとって室蘭は青春の街、
なので、

昔からある建物が朽ちていくのを
見るのは辛いものがある。

あーあの建物、
昔もあったなあ。

今は、
あんなになっている。。。

そんな感じだろうか。

でも、
新しい風景に

心が躍る瞬間もある。

それは、
白鳥大橋から見える工場群の

風景だ。
不思議だけれど、

朽ちていく建物の錆は
心が締め付けられるのに、

盛りに煙を出している工場群の錆は
勲章に見える。

ねあかのT君に

『白鳥大橋から見える工場群は、
とても味わい深く見えるの』と言ったら、

僕もです。

と、
言ってくれた。

昔、
私が室蘭でくらしていた頃は、

白鳥大橋はなかった。
早く出来たら、

どんなに
人の往来が増えるだろうか。

と、
待望した橋だった。

皮肉なことに、
大橋が完成した頃、

室蘭の景気は
下降の一途を辿った。

この橋の使命はなんだったのか?
と、思ったが、

ここに来て、
白鳥王橋の使命がわかった。

この橋は、
景気が下降した後、

室蘭を持ち直させるために
生まれたのだと。

昔は、
工場群は鉄を作る場所以外の使命を

持っていなかった。
というか、

それ以上に、
なんの使命があるというの?

だが、
それがあるんだなあ。

を、
この橋が教えてくれている。

今、
夜間ライトアップされた工場群を

白鳥大橋から撮影したポスターが
出ているが、

その工場群の味わいは
昼間の風景でも感じることができる。

で、
今日は、

その風景にプラスされるものを
見つけた。

それは絵鞆小学校。
正式には旧校舎なのだろうか。

円柱の建物が二つ並んでいる。
その取り壊し反対の動きは知っていたが、

実は今日までどこにあるのか
知らなかったのだ。

が、
帰り道、

絵鞆ってこの辺なのよね、
と、

白鳥大橋に登る道から
顔を左に向けたら、

あった!あれだ!

と気がついた。
なんと、白鳥大橋からも見えるのか。

ただし、

工場群のように
真っ正面からは見えない。

本当に丸い校舎だった。

その旧校舎、
一つは壊されることが決まったというが、

もう一個が残るのならば、
まずは、

工場群とのツーショットを
白鳥大橋からも撮って、

ポスターにしたら
最高だ!

絶対セットだ!
と、一人で盛り上がりながら

その理由を考えてみた。
それは多分、

白鳥大橋という現代の建造物は、
鉄の街の象徴で、

それは
錆びてきたけれども

今も健在で頑張っている工場群から
生まれたものだからだ。

絵鞆小学校は
過去を懐かしむものではなく、

自分たちの建築の当時の到達点の
誇りで、

それは今にも未来にも
繋がっている象徴だからなのだ。

皆さま
次に白鳥大橋を渡る時、

札幌から行けば右手
室蘭から帰るときは左手

に見える円柱の建物を
お探しあれ。

室蘭の歴史が深まること
間違いなし!である。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役 中野むつみでした。

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