社長ブログ:時にふれてBLOG
撤退の決断をする
更新日:2023/04/25
今週は90回目、218ページ「撤退の決断をする」です。Ktさんの担当順番で、感想文をメールで提出して頂きました。読み合わせはMgさんにお願いしました。感想文は次です。
「物質的な要素と精神的な情熱面はある程度比例しないと事業が成り立たないのかなと思います。比例しなくなったタイミングが引き際だと思います。情熱だけで追及している状態は、いい結果が出ません。自分も経験者です。」といただきました。私のコメントは次です。
「情熱が尽きるような状態まで追求して、それでも成功しないのであれば、私は満足して撤退します。…真の引き際が判断できなければなりません」と書かれています。次の書き込みがありました。
「経営では、どんな時代でも、予期せぬ落とし穴、技術革新、天災等によって、まったく収益が見込めなくなる事態が起こることがあります。ましてや、現代のような社会構造の変化、技術革新の進む時代ではなおさらです。そのような状況下で、何を基準に決断を下すべきなのでしょうか? 決断は指導者の一番大事な仕事です。決断を経営理念に照らして行えば、成功することは間違いありません。 経営理念が熟慮の基(もと)となり、断行の勇気となるのです。」「経営理念に照らした時に、なぜ「攻める」べきなのか、なぜ「撤退」すべきなのか、その本質的な理由に気付くことが出来ます。そして、難しい決断の裏付けになりますから、勇気百倍です。人生も経営も、決断という節目が多いほど、「しなやか」に成長しているようです。又、その節目から大きな気づき、チャンスが生まれることもあります。正に「決断は終わりではなく、始まりです」とあります。
当社も撤退を決断した新事業がありました。本業も新事業も人員を確保できず、鬼のような残業が続き、このままでは、両方が駄目になると判断して撤退を指示しましたが、新事業の五人が分社して独立しました。「従業員の物心両面の幸せ」の実現を経営理念にしていて、新事業の撤退を決断しましたが分裂してしまいました。これは私の経営への意思が弱かったためでした。その後盛和塾に入り、「経営は経営者の強い意志と人間性による」ことを勉強していきました。
京セラ時代に稲盛氏の秘書を務め、JALでも専務執行役員を務めた大田嘉仁氏が次のようにっています。「京セラ時代に、事業部長から新規事業に関する稟議書が上がってきました。しかし、この部長は過去にも何度も新規事業を提案したものの、失敗に終わることが多かった。稲盛さんに今回は思いとどまるよう進言すると、『お前は経営がまったくわかっていない。欺かれ(あざむかれ)ても社員を信じるのが経営者なんだ』と厳しい表情で詰め寄られました。いざという時の責任は自分が取る。何度も失敗しているからダメだといったら、二度と社員は提案をしてこなくなる。それが会社にとって一番の損失だと説かれたのです」
ドラッカーも、こんなことを言っています。「まちがいや失敗をしない者を信用してはならない。それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である」、「成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる」と。
経営理念に照らした決断が、何事にも一番大事であることを教えられました。