日刊せみなりーBLOG

美しい紅葉も。。。

更新日:2019/11/29

全ては心で決まる。
だから、

美しさも心で決まる。
あ、これは、

心が美しい人が
美しいと言っているのではなく、

同じものを見ても
美しいと感じるか否かは、

その人の心が決める。
と言う話だ。

まさかあ。
人の好みはあるけれど、

客観的に見て
美しい景色は美しいじゃあないですか?

と、
思っていたのだが。

今年の北海道の紅葉は
めちゃくちゃ綺麗で、

ねえ!私が言っていたの本当でしょう!

と、
テレビの紅葉解説を見ながら

夫に自慢していたが、
本日乗ったタクシーの運転手さんが、

『今年の紅葉はイマイチでしたね。
赤が足りなかった。

豊平峡に見に言ったけど
ダメでしたね。』

と、
言ったのだ。

え?あんなに美しかったのに?
私は、テレビの解説を思い出し、

あれ?と思ったが、
ふと、もしや?

と思い、
運転手さんに聞いた。

『運転手さんにとって
今年はどんな年でしたか?』

運転手さんは、
『今年ねえ。』と、

ちょっとため息をついて言った。
『今年も色々ありましたけど、

去年、
次女が結婚して

沖縄に行ったんですよ。
と言っても石垣島です。

そして、
今年長女が結婚して稚内に

行ったんですよ。』

まあ!
最南端と最北端に行ったんですか!

これは滅多にない話だ。

運転手さんは、
続けて言った。

『そうですよねえ。
次女は今年子どもを生んだけれど、

まだ、会ってないんですよ。
夫婦2人で行けば、

かなりの交通費ですから。』

それはそうだ。

話によると
その次女さんは、

里帰り出産を選ばなかったそうだ。
何ヶ月も家を空けたくなかったらしい。

しっかりしたお嬢さんですね。

と私が言うと、
運転手さんは、

そうですかねえ。

と、
寂しそうに言った。

そして、
『とりあえず、

長女は稚内まで送ってったんですよ。
トラックに荷物を積んで、

下道を通ってね。
遠かったなあ。稚内。』

そのとりあえずの言葉に、
父親である運転手さんの、

迷いを感じた。

そして、
これでは、

紅葉が赤が足りなくて、
美しく感じないだろうな。

と、
思った。

赤は、
お嬢さんたちなのだろうな。

もしかしたら、
いつもはお嬢さんたちと一緒に

紅葉を見に言ったのかも
知れない。

私は娘3人が
本州に巣立って行った後、

3連のプリンを見ると
いつも切なくなった。

娘たちが小さかった頃
3連のプリンやヨーグルトは

我が家の定番だったから。

今年の紅葉は美しかった。
解説でも化学的に証明していた。

でも、
どんなに化学的に美しくても、

寂しい心で見ると
美しく感じないに違いない。

タクシーを降りる時、
『奥様もお寂しいですね』

と言ったら、
運転手さんは元気なく、

そうでしょうねえ。

と言ったけれど、
もしかしたら、

一番寂しいのは
父親である運転手さんなのかも知れない。

子どもが巣立つのは
当たり前のことだけれど、

それを寂しいと思うのも
当たり前なのだと思った。

札幌は紅葉が終わり、
真っ白である。

お節介の達人
マチづくりのご相談承り役中野むつみでした。

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