社長ブログ:時にふれてBLOG

大胆にして細心であれ

更新日:2022/01/11

今回は、年末・正月休みのため二週間空いてしまいました。第37回目で「大胆にして細心であれ」(96ページ)です。Kaさんにお願いしていましたが、出張が入り、他の人の体制がとれず、私が読み合わせを行い、コメントを話しました。次の通りです。

「仕事をする場合、どうしても豪快さと緻密さという、二律背反するような性格を備え、局面によって使い分けられる人が必要です」と書かれています。

大河ドラマとなった渋沢栄一も「細心さと大胆さの両面を兼ね備え、溌溂とした活動を行うことで初めて大事業は成し遂げることができるのだ」との格言があります。今までの事業を後生大事に守り抜こうとしたり、間違いや失敗を怖がってためらうような気力のなさでは、国の勢いを衰えさせてしまうとして、溌剌としたチャレンジ精神を養い発揮することが必要であり、そのためには人に頼らず自立した人にならなくてはならないと説いています。また、細かいことにこだわり、一部分のことだけに没頭してしまうと法律や規則のたぐいばかり増やすようになり、結果として規則や決まりに安住するようでは、とても新しいものを生み出す事業を経営して溌剌とした意欲で世界の大勢に乗っていくことなどおぼつかない、と述べています。

稲盛さんも「稲盛ライブラリー」で「大胆さと細心さは相矛盾するものですが、この両極端をあわせもつことによって初めて完全な仕事ができます。この両極端をあわせもつということは、「中庸」をいうのではありません。ちょうど綾を織りなしている糸のような状態を言います。縦糸が大胆さなら横糸は細心さというように、相反するものが交互に出てきます。大胆さによって仕事をダイナミックに進めることができると同時に、細心さによって失敗を防ぐことができるのです。大胆さと細心さを最初からあわせもつのは難しいことですが、仕事を通じていろいろな場面で常に心がけることによって、この両極端を兼ね備えることができるようになるのです」と仕事への心がけとして話されています。

また、彫刻をする際は、鼻はできるだけ大きく、目はなるべく小さくとってから始めます。なぜなら、大きな鼻は小さくできますが、小さな鼻を大きくすることはできません。同じく小さい目は大きくすることができますが、大きな目を小さくすることはできないからです。これは中国の古典「韓非子」に紹介されている話で、どのような場面でも通用します。事を為す場合にはフォローできる態勢をつくっておくことが大切で、一発勝負で修正のきかないようなことはしてはいけないということです。そして、修正のきかない部分には慎重さをもって臨めば、滅多に失敗はしないものだと韓非子は付け加えています。

 

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