社長ブログ:時にふれてBLOG

自分に打ち勝つ

更新日:2022/02/21

今週は42回目、108ページ「自分に打ち勝つ」です。Mtさんに読み合わせと感想をお願いしました。感想は「楽をしたいと思うのが人間です。自分の目標に努力できる人が成功すると思います。努力するとは、人それぞれと自分では思っている。なるべく人の努力を解ってあげられる人間になりたいと思います」と話し、私のコメントは

「安易な方向に流れようとする自分に打ち勝つことです。…私は、この克己心を含めて、その人の能力を考えなければならないと思っています」と書かれています。再び、克己心(煩悩にまみれそうになる自分自身に打ち克つ)です。前回の「並を超える」にて、P・F・ドラッカーも「高き目標と自分自身を律する力こそがマネジメントである」と言っていますと紹介しました。

アリストテレスは、『私は敵を倒した者より、自分の欲望を克服した者を勇者と見る。自分に勝つことこそ、もっとも難しいことだからだ』とし、プラトンは『自分に打ち勝つことは勝利のうちの最大のものである』と話しています。そして約二千五百年前のブツダの「真理の言葉」(ダンマパダ)は、『戦いにおいて、一人が千人に打ち勝つこともある。しかし、自己に打ち勝つ者こそ、最も偉大な勝利者である』と経典で教えています。

「論語」の顔淵篇(がんえんへん)には「子曰(しいわく)、克己(こっき)復(ふく)礼(れい)を仁となす」という一文があり、意味は「わが身を慎んで礼儀を守ること」です。この「克己復礼」が、「克己」の語源と言われています。口語訳は

「顔淵が仁についてお尋ねした。先生は答えて言われた。『自己に打ち克って礼に復帰することが仁の道である。一日でも自己に打ち克って礼の規則に立ち返ることができれば、天下の人民はその仁徳に帰服するだろう。仁の実践は自己の努力に由来するので、他人に頼って仁を実践することなどはできない』としています。

最後に、 「稲盛和夫、かく語りき」(日経BP発行)のあとがきにかえてで、北方雅人日経トップリーダー編集長は

「渋沢栄一が『論語と算盤』を唱えて以来、道徳心と経済性を深いレベルでどう両立させるか、多くの人が悩んできた。この二つの大命題を解くカギ-稲盛氏はそれが経営手法にはなく、経営者個人にあると解き明かしたのだ。経営者個人のストイック(禁欲的)な人間性を核に据えることで、計数管理と理念共有を調和させる。盛和塾の塾長例会において、塾生が稲盛氏とのやり取りの中で呻吟(苦しみうめく)していたのは、まさに経営者の人間性という一点に集約されると言っていい」と稲盛和夫さんの鬼気迫る克己心を話されています。

この本「心を高める、経営を伸ばす」の真髄と感銘しました。元塾長、元盛和塾、ソウルメイトに感謝します。

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